ドラディションを主宰する藤波辰爾（６８）が１２日の後楽園ホール大会を欠場するも、急きょのリングインでファンを沸かせた。

　藤波は４月２８日に新型コロナウイルス陽性判定を受け、大事をとって今大会を欠場となった。予定されていた「デビュー５０周年記念試合パート３」には新日本プロレスの棚橋弘至が代役として出場。棚橋、越中詩郎、永田裕志組が鷹木信悟、高橋ヒロム、長井満也組と対戦した。

　ところが長井と棚橋の攻防中にレフェリーが交錯すると、リング上は無法状態に。３人がかりでリンチを受ける棚橋を見かねた藤波は、なんと解説席から〝乱入〟。鷹木とヒロムにドラゴン式張り手を見舞うと、長井にドラゴンスクリューをさく裂させて大喝采を浴びた。

　試合は息を吹き返した棚橋がハイフライフローで長井から勝利。藤波はレフェリーとともに３カウントを叩いて、代役をつとめてくれた弟子のファイトを称賛した。

　試合後の記念撮影後は棚橋と２人でリングに残った。マイクを握った藤波は「今日は本当ありがとう。久々にシングルをやりたくなったな。１２月１日に代々木が決まってるし、久々にシングルやるかな」と、５０周年ツアーのファイナルとなる国立代々木競技場第二体育館大会でのシングル戦出陣に意欲を見せた。すると棚橋が「勝手ですけど、気持ちは受け取りました。〝ドラゴンストップ〟かけるなら今のうちです。僕は気が早いですからね」と対戦相手に立候補。藤波も握手で応じて〝師弟対決〟が急浮上した。

　バックステージでは「自分が動けないジレンマなのか、みんなの動きがよく見えたね。うらやましいというか。最後はね、ああやってあれが精いっぱいだったけど。本来であれば（選手として）リングに立ちたかった」と振り返った。体調は徐々に回復しているというが、体重は１０８キロから１０２キロにまで落ちているといい「１２月に向けて、頑張ります」と、急浮上した棚橋戦へ向けコンディションを整えていく意向を明かした。