大物ルーキーのカタールW杯メンバー入りはあるのか――。J1FC東京のMF松木玖生(19)は青森山田高から鳴り物入りで入団し、いきなりレギュラーに定着。パリ五輪を目指すU―21日本代表でも強烈な存在感を発揮している。A代表待望論も高まる中、元日本代表MF前園真聖氏(48=本紙評論家)は松木のカタール行きを条件付きで〝アリ〟とみている。

 松木は高卒1年目ながら開幕スタメンを果たすと、ここまで11試合に先発。攻守の要としてフル回転しており、3日の福岡戦では持ち前の激しいプレスからボールを奪取してプロ初ゴールを決めた。パリ五輪を目指す大岩ジャパンにも招集され、9日から行われたU―21日本代表候補合宿でもピッチ内外で強烈な存在感を見せている。

 前園氏は今季の活躍ぶりについて「フィジカル的な強さがあり、判断に優れていますし、戸惑いもなく、プレーにムラもありません。この数年で高卒ルーキーでここまで活躍する選手はいなかったでしょう。レギュラー争いの厳しいFC東京で短期間で主軸となり活躍していますし、何より〝適応力〟が素晴らしいです」と絶賛する。

 今後は早期のA代表デビューにも期待が高まるが「上のステージに行ってもすぐに適応できるので、A代表に呼ばれてもやれると思います」と太鼓判を押した。そうなると注目されるのが、カタールW杯(11月開幕)で森保ジャパンのサプライズ選出があるのかどうかだ。

「現在の代表でどうかと考えると、あのポジションはゴールやアシストも求められるので、そのあたりの結果が必要でしょう。自分でシュートに持ち込む回数も増やしてほしいです。基本的には次のW杯だと思います」と前園氏は課題を指摘しながら分析。ただ〝条件付き〟でカタール行きをプッシュする。

「トレーニングパートナーとしてはアリではないでしょうか。カタールW杯はメンバーの枠も増えそう(23人から26人に拡大の見込み)ですし、負傷者が出た場合に出場できる形でもいいと思います。代表の雰囲気は刺激になりますし、次のW杯やパリ五輪を見据えても十分考えていいと思います」

 これまでのW杯でも日本代表は有望な若手を練習相手として帯同させてきたが、松木の場合は単なるサポート役ではなく、入れ替え可能な期間に負傷者が出た際には正メンバーとして追加招集も検討すべきという。つまり戦力の一人として計算できるというわけだ。

 果たして、松木がカタールのピッチに立つことはあるのか。今後のプレーに注目が集まる。