2004年アテネ五輪新体操女子金メダリストのアリーナ・カバエワ氏(39)に対して英国が制裁を正式決定し、今後EU諸国も追随する可能性が出てきた。

 カバエワ氏はロシアのプーチン大統領の愛人と欧米メディアが報じており、ウクライナ侵攻を受けて制裁の対象となる可能性が伝えられてきた。

 米国はプーチン大統領の怒りを買って想定外の事態を招く恐れもあるとしてカバエワ氏への制裁に二の足を踏んできたが、ついに英国政府が新たに制裁とすることを発表。さらにロシアメディア「KURER―SREDA」は「英国が制裁を決定し、EUも計画している」と一気にEU諸国へ制裁範囲が拡大するとの見通しを示した。

「西側はロシア大統領の怒りを恐れて、個人に対して制裁を課すことを長い間躊躇した。しかし、英国はカバエバがウクライナの問題に関する彼女の親ロシアの立場を積極的に示しているとみている。資産が凍結され、英国への入国および国内での輸送や移動の禁止が課された」と指摘。

 さらに「欧米諸国は、プーチンと関係しているすべての人々を〝プーチンの財布〟と呼んでいる。彼らの助けを借りて、ロシア大統領は彼の資産を隠している。彼らがプーチンのために一種の影のネットワークを作り、彼に贅沢な生活を提供するのを助けていると信じている」。カバエワ氏らとプーチン大統領の密接な関係を警戒しており、今後制裁が強化される。

 カバエワ氏はウクライナ侵攻後も、愛国心を煽る新体操のイベントを積極的に開催するなど〝集金〟に熱心で、そうしたスポーツを政治利用する動きも制裁を後押ししたようだ。

 スポーツ界の重鎮となった〝愛人〟の動向に注目が集まる。