いったい誰が最適解なのか――。巨人は17日の広島戦(宇都宮)にチーム最年長・中島宏之内野手(39)の移籍後初サヨナラ打で3―2で逆転勝利。チームは2位に浮上した。歓喜に湧いた巨人ベンチだが、ベテランの殊勲打により来週に迫ったセ・パ交流戦での「DH争い」が一層、過熱してきた。

 一振りでおいしいところを持っていった。2点を追う9回無死満塁、ポランコの適時打で1点差に迫ると、中島はコイ2番手・ターリーの2球目、133キロチェンジアップをフルスイング。打球は前進守備の左翼の頭を越えた。自身8度目、移籍後初のサヨナラ打にナインからウオーターシャワーで祝福された。

 中島の6番起用がピタリとはまった原監督は「まあしかし、アウトカウント1つもやらずに(3点)取れたというのはそれぞれがいい役割を果たしてくれた」と目を見開いた。

 V奪還に向けギリギリの戦いは続くが、先に目を向ければ、24日のオリックス戦(東京ドーム)からセ・パ交流戦が始まる。例年リーグ優勝のゆくえを大きく左右するが、日本ハム戦(27日~、札幌ドーム)から「DH制」での戦いとなる。

 もちろん大本命は規格外助っ人。打率2割9分2厘、7本塁打と非凡な打棒も、守備に難のあるウォーカーなのは間違いない。

 だがここにきて「攻撃特化オーダー」も浮上。「ウォーカーをDHにして左翼・立岡よりも、左翼・ウォーカーで中島をDHにした方が中田も使えて攻撃力があがる。DHでは守備が上達してきたウォーカーの勘が鈍ってしまう可能性もある」と球団関係者は分析する。

 またライバル球団からは「ウォーカーばかりが言われるけど、右翼・ポランコの守備も安定はしていない。ポランコDHも十分に考えられるのでは」と指摘された。

 他にも候補はいる。一軍復帰後、2本塁打を放った中田はこの日、スタメンを外れた。首を痛めていたこともあり、休養は必要。さらに日本ハム時代のDH出場で一日の長がある。

 さらにはこの日、ケガから復帰した吉川は「3番・二塁」で出場し2安打を放った。打率3割4分6厘のセ首位打者も今後、疲労がたまってきた場合、打撃に集中できるメリットがある。

 キャプテンの早期復帰の可能性も広がる。現在、二軍で右ヒザをリハビリ中の坂本が守備の負担なく、出場することも可能だ。もっともチームの力が上がるのはどのピースなのか。指揮官のチョイスが注目されそうだ。