昨年8月に乃木坂46を卒業した2期生の渡辺みり愛(22)が、女優として本格的に歩き出している。舞台「レ・ミゼラブル~惨めなる人々~」(21~29日、東京・両国のシアターX)では、ヒロインに挑戦。一時期は芸能界引退に傾きながらも、演じる道に進むことを決断した理由に迫った。

――ジャニーズJr.の松本幸大演じる主人公ジャン・バルジャンが娘のように面倒を見るコゼット役です

 渡辺「レ・ミゼラブル」はミュージカルや映画も見てから、コゼットにあこがれていて。(SNSの)アカウント名に名前を使っていた時期があったぐらい。ついに演じられる時が来たか!とすごくうれしかったですね。

 ――役作りは
 渡辺 ずっと見てきたので、作品の世界観にはすんなり入れて。あこがれの存在でもあるので、自分らしいコゼットを作り上げて演じられたらと思います。私は声が低いですけど、役的にはトーンを高くしゃべらないといけない。声のメリハリで若さを透き通る感じで出せたら。

 ――普段の生活から意識している

 渡辺 セリフを覚える過程が好きなんです。情景とかを思い浮かべながら覚えつつコゼットになっていく感覚で、外でもなりきって背筋を正しちゃったり(笑い)。でも、私は自分を追い込みすぎるとダメなタイプなので、家に帰った時は手を洗って鏡を見て、背筋だけ正してそれからは完全オフにしちゃってます。

 ――昨年8月に乃木坂46を卒業。アイドル時代は人見知りの印象がありましたが

 渡辺 まだ…全然克服できてないですね(苦笑い)。乃木坂46という大きな存在に本当に甘えて育ってきたというか、大人の方にも頼っていたので。自分のやりたいことを言ったら、わがままなんじゃないかと気持ちを押し殺していた部分があった。これからは自分から売り込みにいくじゃないですけど、発信していかないといけない。卒業後1、2年が大変で大事になってくると思うので、コミュニケーション力も身につけようと頑張っております(笑い)。

 ――ずっと女優として活動したい思いを抱いていたんですか

 渡辺 実は卒業する時は、芸能界を引退する気持ちでいたんです。ただ、卒業した直後に「風桶」という舞台に出演して。そこで本当に引退するかしないかを決めようと思ってた。自分の中では大きな選択だったんですけど、演じてみてこっちの世界(お芝居)が好きなんだろうなって思って、来ちゃいましたね。

 ――楽しいと思えた

 渡辺 そうですね。きっとその舞台で決めようと思ってたということは、心の中でお芝居をやりたい気持ちがあったんだと思います。そんな素直になれない自分に葛藤もありつつ闘ってました(苦笑い)。

 ――白石麻衣さん、西野七瀬さんら多くの乃木坂46出身の卒業生が女優として活躍。刺激を受けたり励みにもなる?

 渡辺 あまり見てなくて。というのも見てしまうと、ああいうふうになりたいというあこがれが私の中で邪念になってしまうと思っていて。アイドル時代は白石さんなどにあこがれがあったけど、女優としては自分なりの女優像を確立していきたいから、あえてあまり見ないようにしています。

 ――今後の目標は

 渡辺 目の前のことに一生懸命で、ちゃんとした目標は立ててないんですけど、私は乃木坂46の時にダンス教室に通ったりしていたので、今後もダンスにも力を入れていきたいとは思ってます。ダンスもできる土屋太鳳さんのような二面性のある女優さんになれたら。ただ、ここ1、2年はお芝居やダンス、ラジオや声優などいろんな仕事に挑戦したい。自分に合っているものを模索していきたいなと思ってます。

☆わたなべ・みりあ 1999年11月1日生まれ、東京都出身。2013年5月、乃木坂46に2期生として加入。ダンスのキレはグループ随一で知られた。昨年8月にグループを卒業し、今年3月に芸能事務所・アリゲーターに所属。女優業を中心に本格的にソロ活動をスタートさせた。