果たして出番はいつやってくるのか――。巨人は18日の広島戦(東京ドーム)に4―2で2連勝を飾り、首位ヤクルトにゲーム差なしに迫った。そんななか、すっかりご無沙汰となっているのが小林誠司捕手(32)。副キャプテンを担う背番号22は2週間以上、スタメンはおろか途中出場もゼロとなっている。球界を代表する強肩捕手にいったい何が起こっているのか…。

 前夜のサヨナラ勝ちの余韻そのまま助っ人が大爆発。コイ先発・床田から2回にポランコが8号先制ソロを放てば、5回には負けじとウォーカーが8号3ランを左翼席に叩き込んだ。

 4点の援護を背に先発・山崎伊は、6回途中に右足をつるアクシデントもプロ2勝目をマーク。守護神・大勢が15セーブ目を挙げた。原監督は「彼らの2本のホームランが全得点になったということですからね。いいところで、いい役割を担ってくれています」と両助っ人に最敬礼すると、右腕には「非常にいい投球ができるようになってきましたね。ボールそのものも、勢いも出てきてますしね」とうなずいた。

 チームが歓喜に湧く一方でこの日で15日間、出場なしとなったのが小林だ。最後の出場は3日の広島戦(マツダ)でドラ3・赤星とバッテリーを組んだものの、4回途中12失点(自責3)とリードできず。2打席連続で凡退すると5回の守備から岸田と交代となった。

 その後は先発マスクどころか、途中出場すらなし。2回途中でバッテリーごと交代となった「非常事態」(原監督)の15日中日戦(東京ドーム)でも2番手捕手は岸田だった。

 どういうことなのか。

「吉川が戻ってきたものの、まだ坂本を右ヒザのケガで欠いている。GWに1勝9敗となったショックはまだ大きい。今は打線の調子を上げていくのが最優先。捕手の主戦は大城で、岸田も打率3割3分3厘と打撃の調子がいい。打率1割7分6厘の小林はどうしても第3捕手になる」(チームスタッフ)

 捕手の万が一のケガに備える第3捕手に出場機会はめったに訪れない。小林本人にはいかんともしがたいが、チーム事情により宙に浮いてしまっている形だ。

 それではどんな状況になれば出番がやってくるのか。「坂本が戻ってきて打線が安定すれば、守備型の小林が途中から出場するケースも出てくる。その時の数少ない打席でアピールするしかない」(前出のスタッフ)

 侍ジャパンで国際経験もあるベテラン捕手は推定年俸1億円の4年契約3年目を迎えている。もちろんシーズンはまだまだ長い。その力がチームに必要とされる時は必ずくるはずだ。