〝バカ映画〟の巨匠、河崎実監督(63)がメガホンをとった着ぐるみコメディー映画「タヌキ社長」が20日、公開される。主演は、コアな人気があるシンガー・ソングライターの町あかり(30)。かつては、〝無観客〟のライブハウスでライブを敢行した玄人だ。

 河崎監督は、イカを主人公にした「いかレスラー」(2004年)など、生き物のコメディー映画を撮ってきた。

「タヌキ社長」は、酒造メーカーのタヌキ社長(55)が25歳年下の秘書から恋心を寄せられるコメディー。秘書を演じたのが町で、共演はタレントの吉田照美、モト冬樹ら。昨年6月に都内で撮影された。

 ――2010年からライブ活動をしていた

 町 気づいたら10年超という感じ。まだまだ作りたいテーマがたくさんあって、制作意欲は尽きないです。

 ――これまでの経歴は

 町 都内の大学の教育学部で、小学校の先生になるか音楽を続けるか、どうしようかなと思ってました。4年生で教育実習に行ってるころには、ライブハウスでお客さんゼロでもやってました。

 ――それがどう変わった

 町 ヒャダインさんとかがやってる「musicるTV」(テレビ朝日系)に当時(13年)、取り上げていただきました。これから売れるかもしれないアーティストのコーナーがあり、それに私も応募したところ、取り上げていただいて、たくさんの方に知っていただいて。辞めちゃおうと思わないで、どうしようと悩み続けてるといいことあるんだなと感じました。

 ――ヒャダインさんの反応は

 町 番組ではヒャダインさんと綾小路翔さんが〝何、この子?〟〝おかしいんだけど、気になっちゃう〟みたいな。番組で当時、毎週のように私の名前や曲、宣材写真を出していただきました。あとは「歌詞がおもしろい」とか。

 ――例えば

 町 「もぐらたたきのような人」という曲ですかね。

 ――歌ってください

 町 「もぐ~らたたき、もぐ~らたたき、もぐ~らたたきのような人~」ってピコピコハンマーを持って、ピコってしながら歌います。

 ――番組で反響があった

 町 毎週のように出していただいたら、ライブのお客さんも増えてイベントができるようになったり、アルバムを出せるようになったり。それで音楽を続けられるかもとか、いろんなことをやってみようとか思うようになりました。

 ――今や「タヌキ社長」の主演。1本の応募で人生が変わった

 町 あとは、ずっと曲を作りつづけてきたのも良かったのかなと思います。

 ――町さんは平成生まれながら、曲調は昭和歌謡曲と言われる

 町 テレビで昭和の名曲特番とかやってるじゃないですか。キャンディーズさんとか松田聖子さんとかカワイイなと思って、ネットで調べて好きになりました。歌謡曲は、ヒットしたらお年寄りから子供まで知ってる。そこに憧れがあります。

☆まち・あかり 1991年5月28日生まれ、東京都出身。2010年にライブ活動を開始。15年にビクターエンタテインメントでメジャーデビュー。石野卓球とのコラボや他アーティストへの楽曲提供など、幅広く展開。フジテレビ系教育番組「じゃじゃじゃじゃーン!」(18~20年)に出演。現在のレコード会社は日本コロムビア。