お笑いコンビ「浅草キッド」の水道橋博士(59)が18日、7月投開票予定の参院選に山本太郎代表(47)率いるれいわ新選組からの出馬を表明した。師匠のビートたけしから「お前がやりたいことを俺が止めることはない」と後押しを受け、大勝負に打って出る博士は、“維新退治”とともに東スポ1面奪還も宣言してみせた。

 博士は先月、日本維新の会の松井一郎代表から名誉毀損で訴えられたことが、「スラップ訴訟だ」と主張。反維新を掲げ、活動していた。さかのぼれば、9年前に「たかじんNOマネー」に出演した際、維新創設者の橋下徹氏から「小金稼ぎのコメンテーター」と揶揄され、もめたのが維新と対立したきっかけで、根深いともいえる。

 この日、東京のAsagaya Loftで開かれたイベントでは「やつらを喋りたおせ! 輝く我が名ぞ 反維新タイガース!!!」と題し、維新とバトルを繰り広げている米山隆一衆院議員や橋下氏から訴えられているれいわの大石晃子衆院議員のほか、芸人仲間のラサール石井や長井秀和らが登壇し、気勢を上げた。

 山本氏とは、出馬に向けた事前交渉なしの公開対話で立候補が決定し、選挙区か比例代表からの出馬かは調整し、来週にも正式に記者会見で発表する運びだ。

 今年8月に還暦を迎える博士だが、まだまだ気力、体力は充実している。「反スラップ訴訟法を日本でつくる」「松井一郎さんに(訴訟したことを)絶対後悔させる」と選挙にかける思いは真剣だが、芸人の性(さが)でこの日のイベントでは、1997年に偽造免許写真の話題で1面を飾った東スポを取り出し、「僕はこの事件以来、東スポの1面を奪い返していない」と選挙戦を通じて、再び1面を飾りたいと意欲をみなぎらせた。

 早速、さまざまなプランが浮かんでいる。既に自称ジャーナリストを宣言している博士は来週、松井氏の記者会見に乗り込み、真正面から質問をぶつける考えで、ひともんちゃくは必至だ。

 選挙区からの出馬となれば政見放送にも出られるとあって、「内田裕也さん以来のビートルズナンバーを歌いますか」と伝説となっている政見放送の復刻も予告する。

 れいわは消費税ゼロを掲げ、その経済政策に賛同している博士は「国会に卍固め、消費税に延髄斬り」とスポーツ平和党で当選した際のアントニオ猪木氏のキャッチフレーズも丸パクリする。選挙カーにはマック赤坂氏をほうふつとさせるポルシェの投入などアイデアは尽きない。

 有権者をノスタルジーに浸したところで、維新への強烈な毒霧噴射でハートをつかみたい算段か。博士の芸人人生の集大成ともいえる選挙戦となりそうだ。