大関陣にダメ出しだ。大相撲夏場所12日目(19日、東京・両国国技館)、大関御嶽海(29=出羽海)が関脇阿炎(28=錣山)に一方的に押し出されて7敗目(5勝)。大関2場所目にして、早くもカド番の危機に直面している。取組後は報道陣の取材に応じず、国技館から引き揚げた。

 この日、日本相撲協会の公式ユーチューブチャンネルに芝田山親方(元横綱大乃国)が出演。御嶽海の淡白な負け方に「たとえ親指1本でも土俵の俵にかけて、弓なりになってでも残す気持ちにならないと。大関としての品格、責任はそういうところにもある。明日から3日間連続で勝たないと勝ち越しにならない。新大関が2場所目で、もうカド番。もっと自分の稽古に打ち込んでもらいたい」と苦言を呈した。

 他の大関陣も正代(30=時津風)が5勝7敗、貴景勝(25=常盤山)も6勝6敗。V争いどころか、全員が負け越す可能性もある。芝田山親方は「大関陣は厳しい。これだけ負けると、関脇以下全体に自信を持たせてしまう。『オレでも大関に勝てるぞ』という感覚になられてもいけない。小結、関脇の壁があって、大関の違う壁がある。その壁が〝ベルリンの壁〟みたいに崩壊してる」と手厳しかった。