力投も実らなかった。広島・九里亜蓮投手(30)は19日、巨人戦(東京ドーム)で先発マウンドに立ち、7回を115球、7安打2失点。相手エース・菅野との息詰まる投げ合いを制せず終盤で力尽きた。チームは1―2で敗れ、自身も今季2敗目となった。 

 初回から一球一球に力を込め、右腕を振った。1番・丸、2番・ウォーカーを2者連続で空振り三振。いずれもウイニングショットは内角球で強気の攻めがさえ渡った。そして3番・吉川には3球目、外角低めのシュートで詰まらせて二ゴロ。三者凡退で終わらせ、上々のスタートを切った。

 1点リードで迎えた2回は先頭の岡本、ポランコに連続安打を許し、一転してピンチを招く。それでも慌てることなく次の中島を遊ゴロ併殺打。そして大城をこの日最速となる146キロの内角ストレートで空振り三振を奪うとマウンドで雄たけびを上げた。

 だが3回に入っても単打と四球を重ねて二死一、二塁とされ、吉川に同点適時打を献上。それでも登板前に「本当にしっかり一人ひとりと勝負しながら、最少失点に抑えられるように、それだけを考えて投げたい」と口にしていた通り、このイニングは1失点でしのいだ。その後も気迫の投球を続けたが、7回一死二塁から中山に中前適時打を許して2失点目。7回降板まで毎回で今季最多の10奪三振を奪う力投を見せるも3勝目とはならなかった。

 先発登板8試合中、クオリティースタートは6度目。防御率はリーグ2位の2・26で本来ならばもっと勝ち星が積み重なってもいいはずだが、とにかく打線の援護に恵まれない。

 試合後の九里は「何とか0点でいければ良かったんですけど、相手の投手も菅野投手でいい投手ということは分かった上で。何とか先に勝ち越し点を与えないようにと思って投げていたんですけど、ああいうところをしっかりと踏ん張れるようなピッチャーになれるように」と振り返った。

 一方、これでチームは巨人戦で今季2度目の同一カード3連敗となり、引き分けを挟んで4連敗となった。