巨人・菅野智之投手(32)が19日の広島戦(東京ドーム)で9回途中1失点の力投で、ハーラートップに並ぶ5勝目をマークした。

 完投勝利まであとアウトカウントは2つだった。9回一死から連打を許して一、二塁のピンチを招いて降板。その後のマウンドをドラフト1位守護神の大勢に託し、チームは2―1で勝利したが、その胸の内は複雑だった。お立ち台に上がった右腕は「情けない気持ちで大勢頑張れと…。そういう気持ちで見ていました。何てお礼したらいいか分からないですけど、いつか返せるように頑張ります」と絞りだした。

 8回までで菅野の球数は115球。原辰徳監督(63)は試合後、9回の続投は本人の志願かを問われ「そうですね」とした上で「何とか完投してくれればというのはありましたけれどもね」と一人で投げ切ることも期待して送り出したことを明かした。菅野もそうしたベンチの思い、何よりもエースとしての自負があったからこそ完投したかったに違いない。

 ただ、得た収穫も大きいはずだ。球数は今季最多の127球で4安打5奪三振。菅野は「だんだんボールも操れてきましたし、直球も四隅に投げられ始めていると思うので、そこからの出し入れとか、いろいろな選択肢が配球の中で増えているので。投げていてそんなに苦労する感じはしないので、いいと思います」と胸を張った。

 右ヒジの違和感で一時離脱もしたが、先発ローテーションのど真ん中で回り続けてこそのエースだ。背番号18がいよいよ本調子に近づいてきた。