2018年平昌五輪の団体戦で銀メダルを獲得するなどロシアフィギュアスケート界で有名なナタリア・ザビアコ(27)がカナダへ帰化する方針を表明し、大きな波紋を呼んでいる。

 ザビアコはウクライナ侵攻に対するスポーツ界の制裁でロシア勢の国際大会への出場が禁止されていることを受けて、カナダ代表となる意向が明らかになった。

 この動きに対して、ロシア国内で猛烈な批判の声が湧き上がっている。

 ロシアメディア「メタレーティング」によると、フィギュアスケート界の〝皇帝〟と称されるエフゲニー・プルシェンコ氏の妻でプロデューサーのヤナ・ルドコフスカヤ氏は「4年間も大会に出場せず、他国でスケートをするのは非人道的で間違っている。彼女はもう現役のアスリートではないので、せいぜいトライしてみればいい。ロシアのスポーツにダメージはない」と怒りの声を上げた。

 また、帰化する先がロシアと激しく対立するカナダだったことも非難の火に油を注いでいる。

 同メディアは、下院議員のビタリー・ミロノフ氏のコメントを報道。「それはただの〝売春婦〟だ。最も重要なのはどの国でということだが、よりによって我々に対して最も否定的な国の1つであるカナダにするとは」と過激な表現を使いながらザビアコを糾弾した。

 ついにフィギュアスケート界にも押し寄せた国籍変更の波。ロシアのスポーツ界に激震が走っている。