これ以上、期待を裏切るわけにはいかない。大相撲夏場所14日目(21日、東京・両国国技館)、大関御嶽海(29=出羽海)は大関貴景勝(25=常盤山)に押し出されて完敗。負け越しが決まり、来場所は在位3場所目で初のカド番となる。

 一方的に攻められて力なく土俵を割った御嶽海は取組後、取材に応じることなく国技館を後にした。今場所は白星発進しながらも2日目以降は一度も白星先行がない。本来なら優勝争いが求められる立場だが、気づけば勝ち越しさえかなわなかった。

 地元長野ではイベント規制緩和に伴い〝国技館ツアー〟が組まれるなど、多くのファンが大関の活躍を楽しみにしていた。しかし、結果を残すことができなければ、故郷のみならず全国から厳しい声が噴出しても仕方ない。

 それでも御嶽海後援会の村上智明幹事長は「本人がつらくて厳しい場所ほど、やっぱり応援というのは必要。こういう時に離れちゃダメ」ときっぱり。

 続けて「『ぶざまな相撲だから俺はもう応援やめるわ』なんて人もいるんだけど、そうじゃないと。大関が一番大変な時にこそやっぱり応援してほしい」と、温かく見守ることの重要性を訴えた。

 同様の意見は熊本からも上がった。すでに来場所4度目のカド番が決まっている正代の故郷だ。

 宇土後援会の金田光生会長も「後援者の方々には、こういう時こそ応援してくださいと。勝ってる時は誰でも応援できるんだから、負けてる時こそ一生懸命応援してくださいとお願いしている」と語っていた。

 一方、千秋楽で貴景勝(常盤山)が敗れると、3大関が負け越しという前代未聞の事態になるが…。悩める大関陣は地元のエールに奮起できるか。