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齊藤工監督、別府を舞台にした短編映画を制作「恩返しができたら」

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左から安部賢一、岡村照館長、齊藤工監督
左から安部賢一、岡村照館長、齊藤工監督

 齊藤工(俳優・斎藤工の監督名義)が21日、大分県の別府ブルーバード劇場で行われた「別府短編映画制作プロジェクト」記者会見に出席。同短編プロジェクトの第3弾作品として安部賢一主演の『縁石』を手がけることを明かし、意気込みを語った。

 本作は、メジャーでも活躍する映画監督たちが、別府市を舞台にリレー方式でそれぞれのオリジナル短編を制作する「別府短編映画プロジェクト」の第3弾作品。新型コロナウイルスの影響で苦境にあえぐ別府を、エンターテインメントの力で活気づけようとの思いから発足したプロジェクトで、これまで白石和彌監督(近日製作予定)、土屋哲彦監督、田口清隆監督の参加が発表されている。土屋監督が俳優の津田寛治を主演に迎えた短編映画『悪党と物書き』はひとあし先に完成しており、現在、別府ブルーバード劇場で上映されている。

 『縁石』の物語の詳細は不明だが、大分に住む男の様子を、縁石からのまなざしなどを交えて描きだした作品とのことで、齊藤監督によると「意外とSFになっている」作品だという。

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 そのSFテイストについては、大分県とアメリカのヴァージン・オービット社がパートナーシップを締結し、大分空港がアジア初の「水平型宇宙港」に決定、ロケット打ち上げが予定されていることを受けて、「宇宙ノオンセン県オオイタ」というキャンペーンをスタートさせた影響もあったという。

 齊藤監督はこのキャンペーンを知り、「思わず二度見してしまった」ほどに、感銘を受けたといい、さらに「今、半分宇宙人のような映画が上映されていますが」と自身が主演する大ヒット作『シン・ウルトラマン』に言及しつつも、「宇宙開発に大分県が協力している以上に、大分県の方々、特に別府の方にはそういうことを受け入れる風土、土壌があるなと思っていて。別府の皆さんの温かさに合っているプロジェクトじゃないかなと思いました」とコメント。それゆえ「(本作の)ポイントとしてはけっこう宇宙人というところになる。今のところそれが台本の立て付けになっています」と内容に含みを持たせた。

 主演を務める安部は、江口カン監督の映画『ガチ星』で注目を浴びた大分県出身の俳優。「安部さんが大分出身であることを含めて、大分の方と、ここでしか観られないようなものを、どこか当たり前のように撮らせていただいて。かけがえのないものが撮れていると思います」と手応えを感じている様子の齊藤監督。安部も「やはり地元で撮れる喜びがあります。役者を始めて25年くらいになりますが、まさか地元で仕事をするとは思っていなかったし、帰ってきたなと思います」としみじみ。地元に戻ると、言葉も含めて自然体に戻るようで、「自分でも気付いてないですが、そういう空気を作っていただいているんでしょうね。カメラを意識せずに、その場の空気を感じられています」と付け加えた。

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 そんな本プロジェクトへの参加について「参加しない理由はなかったです」とキッパリ語る齊藤監督。「映画業界がここ数年、大きく変わっていく中、ローカルで作られるソフトの価値観が大事だなと思っていた時に、こういうブルーバード劇場が主体となったプロジェクトが始まって。どこでも観られるのではなく、そこでしか観られない、映画本来の力に戻れるのは意義がある」と感じているという。

 またコロナ禍で苦境に立つミニシアターを支援する「ミニシアター・エイド基金」「ミニシアターパーク」などに参加してみて、「皆さん、大変な状況が続いていると思いますけど、特に大分の劇場さんからはエネルギーをいただきました」という。「これは劇場の館主さんの人柄もあると思うけど、こんなにもエネルギッシュに、光を照らしてくれるような。地域のハブであるのが映画館だと思いますけど、そういう映画館は必要」と力説し、さらに「自分の作品だけでなく、このプロジェクト自体が魅力を増し、輝いていくことで、結果的に別府の街が映画で照らされていけば。言葉で説明せずに、映画という特殊な空間、映像体験という形で別府に恩返しができたら」と力強く語ると、地元の報道陣に向かって「一緒に別府を盛り上げていきましょう!」と呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)

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