〝不名誉〟な事態は免れた。大相撲夏場所千秋楽(22日、東京・両国国技館)、大関貴景勝(25=盤山)は大関正代(30=時津風)を突き落として勝ち越しを決めた。

 取組後も気が抜けなかった。相手を転がしたが、途中で貴景勝の足が出たのではないかと物言いがついた。協議の結果、軍配通り白星を手にし「正直、出たか、出ていなかったか説明を聞くまで分からなかった」と率直な感想を口にした。

 すでに正代、御嶽海(出羽海)が負け越しており、自身も続けば現行のカド番制となった1969年名古屋場所以降で初めて皆勤の3大関が負け越す前代未聞の事態になっていた。

 大関陣で唯一勝ち越した貴景勝は「もっといい成績を残さないといけない。(今場所の結果は)結果論なので。100%出し切った。自分が弱いだけ。苦しいことはないですけど、白星に結びつかない歯がゆさが一番でした」と淡々と振り返った。

 一方、伊勢ヶ浜審判部長(元横綱旭富士)は「(3大関ともに優勝争いに絡めず)本人たちが恥ずかしいんじゃないですか。大関という地位にいながら」とバッサリ。続けてカド番となる正代、御嶽海については「自分の相撲をもう一度見つめ直してしっかりと稽古に励んでから出てきてほしい」と注文を付けた。