大相撲夏場所で3場所ぶり7度目の優勝を果たした横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)が今年中の〝大台到達〟を視野に入れている。

 千秋楽から一夜明けた23日の会見では「優勝しなくちゃいけない立場で臨んだので、ホッとしている」と心境を明かす一方で「一場所一場所の積み重ねが生かせるように頑張っていきたい」と早くも名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)へ向けて気を引き締めた。

 横綱は自らハードルの高い目標を課している。それは今年中に優勝回数を2桁の大台に乗せることだ。1月の初場所と3月の春場所は右かかとの負傷やヒザの古傷の影響でV逸。優勝10回を達成するためには、11月の九州場所までに4連覇することが必要になる。

 それでも、伊勢ヶ浜部屋関係者は「横綱は7月場所、9月場所を視野に入れている。(夏場所で)筋肉が100%動かせるようになったことで、もっともっと体は強くなってくるでしょう。7月場所は敵がいなくなると思います」と強気に断言する。夏場所前半は体調が万全ではなかったものの、その後はケアが実ってV字回復。優勝の結果につなげたことで、自信を深めている。

 横綱自身も今回の優勝が通過点であることを強調し「目標は大きく持ってやらないとモチベーションも上がらない。(目標に)近づくことはできた」ときっぱり。再び〝独り勝ち〟となる可能性も十分だ。