フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)の同国代表FWキリアン・エムバペ(23)の電撃残留の〝真相〟は――。PSGは26日、7月の「ジャパンツアー2022」の発表会見を都内で開催。クラブレジェンドとして出席した日本でもおなじみのパトリック・エムボマ氏(51)に、エムバペ問題を直撃した。
 
 今夏のツアーは7月20日に川崎戦(国立)、同23日に浦和戦(埼玉)、同25日にG大阪戦(吹田)を開催。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ブラジル代表FWネイマール、そしてエムバペの世界最強トリオの来日は大きな注目を集めることは間違いない。この日はツアーアンバサダーを務めるカズこと元日本代表FW三浦知良(鈴鹿)もオンラインで参加し、1組2名で1000万円の超高額チケット販売も発表されるなど会見は盛り上がりを見せた。

 そうした中、やはり注目を集めるのはエムバペだろう。スペイン1部レアル・マドリードと一度は入団で合意しながら翻意して残留を決めたことで、世界中で大きな波紋を呼んでいる。

 PSGやJリーグのG大阪などで活躍したエムボマ氏が会見後に取材に応じ、エムバペ残留の経緯について明かした。

「彼は本当に最高の選手なのでPSGとしてもキープしたいと。彼もしっかりと自分の未来を考え、やっぱりPSGに残るのがベストチョイスだと分かったんだ」と説明。さらにこう続けた。

「クラブとしては、できることはすべてやった。彼の話にしっかりと耳を貸した。そして、彼のいろんな〝願い〟とか〝欲しいもの〟に対して、しっかりと応えた」

 エムバペに対しては報酬や編成への関与などさまざまな超破格待遇が現地で報じられているが、PSG側は本人の要望に〝満額回答〟で最大限の誠意を見せたというわけだ。

 なぜPSGはそこまでするのか。「彼はパリ生まれだし、パリで楽しむことが大好きだという人間。そのあたりはPSGにとってもメリットだった」。単にスターというだけでなく〝パリブランド〟を体現する選手として、PSGはなんとしても残留させたかったのだ。

「これからもっと高みを目指せるように、いろいろと彼にとってもいい提案をしていった。それによって彼が、この先(PSGで)いろんな記録を打ち立てようとなった」と最後は両者の思惑が一致した。エムバペがPSGでどんな飛躍を見せるのか楽しみだ。