話題は佐々木朗に譲っても、試合の〝主役〟は譲らない。阪神は27日のロッテ戦(ZOZOマリン)1―0で辛勝。主砲砲・佐藤輝明内野手(23)が一振りで試合に決着をつけた。

 注目の佐々木朗との対決は、3打数無安打2三振。2度の走者を置いた場面での凡退に走塁ミスもあり「すごいピッチャーでした」と〝完敗〟を認めたが「しっかり長打を打てるのが、僕に求められていることなので」と、4番の責務を最後に果たした。

 0―0の9回の第4打席、ロッテの守護神・益田のシンカーを中堅バックスクリーンに運ぶ値千金の11号決勝弾。矢野監督も「よく打ってくれた。2年目になって(勝利のために)何とかしようというのが出ている」と最敬礼だ。

 中心選手の自覚という側面は実際、この「第4打席」にこそ表れている。ルーキーイヤーの昨季の4打席目は打率2割5分の2本塁打、41三振。敵の主力級の中継ぎには、キリキリ舞いだった側面が強かったが、今季は一変。ここまで打率3割1分8厘で打席別で最もハイアベレージをマークしている。

 球団関係者も「対応力が去年より格段に、良くなっている。感覚的なモノだけに頼らず、スコアラーからのデータとかをうまくかみ砕いて、自分の打席で生かせている。もう振り回すだけの打者じゃなくなっている」と、試合での〝修正力〟に2年目の成長を指摘する。

 直近3本のアーチは全て中継ぎから。2年目の虎の大砲は終盤に強い。