敵ながらあっぱれだ。日本ハムの「ビッグボス」新庄剛志監督(50)が28日の巨人戦(札幌ドーム)後、2打数2安打1本塁打3打点と大暴れとなった巨人の中田翔内野手(33)へ、賛辞の言葉を送った。

 かつての主砲に「恩返し」を食らった。1点ビハインドの7回二死一、二塁のピンチで代打・中田を迎えると、同期入団・宮西が痛恨の適時打を許し1失点。2点リードの9回には、この回からマウンドに上がった望月が5号2ランを被弾し、この日は中田相手に計3点を失うこととなった。

 敵チームではあるものの、長くチームの主砲を務めていた中田へ敬意を欠かすことはなかった。ビッグボスは「すごかったね。あの打ち方ができたらね。あの本塁打もすごい良いタイミングの取り方で軸回転で完ぺきに打っていたと思うんですけど、その前の代打で出た時の中前適時打。あの安打の方が価値があるし、あれがあったから次の本塁打がある。余裕を持って打席に入れたんじゃないかなと思います」と、興奮気味ながらも中田の活躍を詳細に分析した。

 賛辞の言葉はまだまだ続いた。「ずっとね、ファイターズで長い年数いて、帰ってきて、みんなの前であの豪快な本塁打を見せられたというのは本人が一番うれしいんじゃないですか。原監督もそういう気持ちで送ったと思うので。みんなが笑顔になったと思います」。

 チームは4―8で敗れたものの、ファイターズファンすらも湧かせた中田の活躍に、ビッグボスは最大限の敬意を示していた。