がん治療のため昨年10月から活動休止していたキャスターの小倉智昭(75)が30日、都内で行われた第31回日本映画批評家大賞授賞式に出席し、特別賞を受賞した。

5月5日に復帰後初となるラジオ番組の生放送出演を果たしており、この日もしっかりとした足取りで登壇。映画文化の発展に寄与した人に贈られる特別賞を受賞した。かつて出演していた文化放送のラジオ番組で映画について語り続け、リスナーの興味を高めたことなどが評価された。

小倉が喜びを口にしつつ「いまだになぜここにいるのかわからない。3~40年前にラジオで映画の話を盛んにしていたのを今になって思い出していただいて」と語ると、かつてフジテレビ系「とくダネ!」でも共演していた司会の笠井信輔氏から「ノーベル賞みたいなものです」と諭される場面もあった。

幼少期から映画好きで地元の秋田で映画館に通っていたという。「とにかく映画が好きで仕方なくて。小遣いを握りしめて50円3本立てとかよく行きましたよ」と思い出も語った。

仕事で賞をもらったのは「ギャラクシー賞以来」とも語り、「今いろいろと治療している最中なのですが、何よりも効果のある薬を頂きまして。これからも映画を見て、機会があるごとにみなさんにお話ししていこうかなと思っています」と笑顔で締めくくった。

同賞は映画評論家のみで賞を決定する映画賞で、91年から開催されている。主演男優賞を映画「空白」の古田新太、主演女優賞を映画「由宇子の天秤」の瀧内公美が受賞した。