松竹は5月31日、今年11月と12月の2カ月連続で、東京・歌舞伎座で11代目市川海老蔵（44）あらため13代目市川團十郎白猿の襲名披露、長男堀越勸玄君（9）の8代目市川新之助初舞台の公演を行うことを発表した。昼夜2部制で行う。「十一月大歌舞伎」は同7～28日、「十二月大歌舞伎」は同5～26日。

襲名披露興行は、もともと20年5～7月に襲名披露を行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、延期になっていた。

海老蔵は「コロナ禍により延期となっておりましたが、このたび、十三代目市川團十郎白猿を襲名し、歌舞伎座においてご披露申し上げる運びとなりました。また、伜勸玄には八代目市川新之助を名乗らせ、初舞台を勤めさせていただきます」と報告、「初代團十郎より市川家にとりまして大切な名跡であり、その大きな名を継承するという重責を改めて痛感しております」とコメントした。

さらに「いまだ不安や制約の多い状況下ではございますが（中略）、前を向き歩を進めるべく精いっぱい勤めてまいります。私、勸玄ともに、まだまだ芸道未熟ではございますが、歴代の團十郎、市川宗家の名を辱めることのないよう、心新たに努力精進する所存でございます」と誓った。

海老蔵の父、12代目團十郎さんは、13年2月に66歳で亡くなった。歌舞伎の大名跡が9年ぶりに復活することになる。松竹の迫本淳一社長は、大名跡の復活に「誠に意義深く、喜ばしいことと存じます。多岐にわたる挑戦を続けてこられた海老蔵さんが、このたびの襲名を機にさらなる精進を重ね、ますます立派な俳優となられますこと、また成田屋一門が一層栄え、歌舞伎界をさらに盛り上げてくださいますことを祈念いたしております」とコメントした。