オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第90回は「カレーおじさん」だ。

 晩ご飯を予言する怪しい妖怪「カレーおじさん」は、とある一家からメールで筆者宛てに投稿されたものである。

 小学生が学校の帰りに「今夜の晩ご飯は何だろう」と夕食のメニューについて話していると、突然姿を現す。そのおじさんは「今夜はカレーだよ」と予言をし、必ず的中させるといわれている。

 匂いでメニューを的中させるのであろうか。それとも母親の買い物内容で的中させるのだろうか。仲間の妖怪に「カレーおばさん」もいるといわれている。

 ちなみに筆者は母親のレパートリーの中から推理して、その日の夕食のメニューを当てる名人であった。筆者の弟はその的中率に舌を巻いていた。

 なお、凶悪なカレーおじさんも存在しており、小学生の兄弟が帰宅すると台所で母親を殺害しており、「幸せだろう。幸せだろう。カレーを食べな」と言いながら、母親の遺体の前でカレーを食べさせるといわれている。こちらの妖怪の詳細は分からない。