韓国の人気男性グループBTS(防弾少年団)が5月31日、米ホワイトハウスを訪問し、バイデン大統領と米国で急増するアジア系への憎悪犯罪などについて対談した。

黒のスーツに身を包んだBTSのメンバーは対談に先立ってホワイトハウスで記者会見を行い、同席したジャンピエール大統領報道官から「敬意と希望のメッセージを広げる青年大使として重要な役割を果たす」と紹介された。それを受け、リーダーのRMは「アジア人に対する憎悪犯罪、アジア人のインクルージョン(受容)やダイバーシティ(多様性)という重要な問題について話し合うため、ホワイトハウスに招かれたことを非常に光栄に思っています。バイデン大統領とホワイトハウス、そしてアーティストとして何ができるのか再認識しながら重要な問題について話す大切な機会を与えられたことに感謝しています」と流ちょうな英語で述べた。その後は、他のメンバーもそれぞれが通訳を介して韓国語で憎悪犯罪撲滅を願う思いを短く語った。

5月は米国でのアジア系および太平洋諸国系米国人の文化遺産を称えて継承する「AANHPIヘリテージ月間」であることから、JINは「今日はAANHPIヘリテージ月間の最終日です。私たちはホワイトハウスと共にAANHPIコミュニティを支持し、祝福します」とコメント。JUNGKOOKは、「韓国のアーティストの作った音楽が、言語や文化の壁を越えて世界中の多くの人々に届けられていること驚いています。音楽は常にすべてのものを統合する驚くほど素晴らしいものだと私たちは信じています」と語った。

BTSがホワイトハウスを訪れるのは、これが初めて。前日に米国入りしたJUNGKOOKを除いたメンバー6人は、5月29日にリンカーン記念堂などを訪れるなど市内観光を楽しんだようで、その様子をSNSに投稿している。

BTSは2018年と2021年に米ニューヨークの国連本部にて、それぞれ気候変動と新型コロナウイルスのワクチン接種について演説している。また、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに米国で急増しているアジア系に対する差別や憎悪犯罪についても、昨年3月にツイッターに「悲しみと怒りを感じている」と英語と韓国語でメッセージを投稿して話題になっていた。

バイデン氏は先日、就任後初となるアジア訪問で、韓国に3日間滞在して尹錫悦大統領とも会談していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)