元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が1日、「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、埼玉県で起きた母親による3歳娘放置事件について厳罰化を訴えた。

 埼玉県警に保護責任者遺棄容疑で再逮捕されたのは長野奈々容疑者(31)。昨年12月、同容疑者の次女(3)は両脚の大腿骨を骨折し、意識不明の状態で病院へ搬送され死亡していた。県警は同容疑者と、同居していた知人の男(37)の2人を傷害容疑で逮捕、起訴していた。

 次女は体のあざなどから、日常的に暴行を受け、脚を骨折し歩けなかったのに放置され、衰弱していた。死因は脳の損傷だった。長野容疑者は「娘が骨折していたことや歩けなかったことは認識していなかった」と容疑を否認している。

 若狭氏は「実の子供に対する親の刑事責任としてはレベル的に傷害罪、保護責任者遺棄罪、殺人罪がある。親は子供の状況がよくわかっている。それを放置するというのは殺人罪だと私は思う。殺人罪で起訴して裁判員裁判で一般市民の感覚を問うというのを、刑事司法は一つの方策としてやっていくということが、こういう事件を防ぐ手掛かりになると思っています」と厳しい目を向けた。

 これを受け、元衆院議員の金子恵美氏も「これは殺人なんだということで、こういう悲劇をこれ以上、世の中に起こさせないためにもしっかり厳罰化することですね」と同調した。

 傷害罪で起訴されていた同居の男は今年3月、春日部署の留置場で自殺していた。