【インタビュー】BREAKERZ、15周年の起承転結を語る「前しか見てなかった。奇跡だなって思います」

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BREAKERZが6月15日、デビュー15周年を記念して全34曲を収録したシングルベストアルバム『BREAKERZ BEST -SINGLEZ-』をリリースした。「起承転結があった年月でした」とは10周年記念時に実施したSHINPEIパーソナルインタビューで語られた言葉だが、それから5年。今改めてDAIGO、AKIHIDE、SHINPEIの3人に、2007年のデビューから15年のバンドヒストリーを“起承転結”をキーワードとして深く語り合ってもらった。メンバー自身からも「それ知らなかった!?」という言葉が幾度となく飛び出したトークは、新たな発見に溢れている。

◆BREAKERZ 画像 / 動画

「これが最後のバンドと決めていた」というDAIGOとAKIHIDE。まっさらな状態で希望に満ちていたというSHINPEI。デビューからわずか2年で日本武道館ワンマンを成功させ、追い風を感じていた当時の心境をはじめ、2013年にバンド活動を一時休止してソロワークに踏み切った時の真意、さらにはコロナ禍で制限があっても「負けたくない」という想いで音源をリリース、ライブ活動を止めなかった彼らのターニングポイントに迫るロングインタビューは、BREAKERZというバンドの核心を露わにするもの。バンドの信念、ファンへの信頼がなければ、歴史は途中で途切れていたのかもしれない。

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■常にBREAKERZをぶっ壊して
■新しい表現をしていこうって

──デビュー15周年のヒストリーの中にはいろいろな出来事があったと思います。音楽への情熱を内に秘めている3人が集まったからこそ、ここまで続いているのではないかと捉えていますが、BREAKERZの歴史の“起承転結”を掘り下げてお聞きしていきます。まず“起”に当たる部分を結成とするなら、プロフィールによるとDAIGOさんとSHINPEIさんは出会って1ヶ月で40曲ものデモ曲を作ったらしいですね。

DAIGO:まず、当時の事務所の社長の紹介でSHINPEIと出会ったのは2006年の秋頃だったんですが、その頃のSHINPEIは、ロックミュージシャンの雰囲気じゃなかったんですよ。

──どんな雰囲気だったんでしょうか?

DAIGO:普通ですね、すっごく普通の人。

SHINPEI:わはははは!

DAIGO:その時はまだ“一緒にやっていこう”って感じではなくて、“とにかく曲を作ってみよう”というところから始まったんです。はじめは僕もめちゃくちゃ燃えていたわけではなかった。っていうのも、SHINPEIがとにかく普通だったので(笑)。

AKIHIDE:ははは!


▲DAIGO (Vo)

DAIGO:でも、僕が曲を1曲作って送ったら、すごいスピードでアレンジされたものが戻ってきたんですよ。“やる気”を感じたというか。その曲のアレンジは結果、採用されなかったんですけどね(笑)。でも、熱さを感じたので、曲をバンバン送ってSHINPEIがアレンジした曲とか、僕がそこに手を加えた曲とか、作業を続けて曲が増えていったんですね。1ヶ月で40曲っていうのは、ちょっと盛っているかもしれないですけど(笑)。

SHINPEI:2桁はあったと思うんですけど、40曲は盛ってると思う(笑)。僕はDAIGOさんと一緒に曲作りすることになった時は、例えるとバイト未経験者なのにいきなり厨房に立った気持ちでした(笑)。出会った時からDAIGOさんにはスターのオーラを感じてて、一緒に何かを目指していけたら最高だなと思っていたので。その時の僕は“やる気”を見せるしかないから、やれることは全部やりたいと思ってました。

DAIGO:とにかくレスポンスが早いところは15年経っても変わらないですね。選曲会の前の日に、SHINPEIへ夜中に曲を送っても、僕が寝ている間にアレンジされたものが戻ってきたり。

SHINPEI:ヒヤヒヤですけどね、僕は(笑)。

DAIGO:今も助かってます。振り返ってみたら、SHINPEIの熱さとスピード感は変わらないです。

──その後、AKIHIDEさんを誘うわけですが、どのタイミングで“この3人でBREAKERZだ”ってなるんですか?

DAIGO:AKIHIDEさんは当時、自身のバンド(NEVER LAND)でボーカル&ギターを担当していたんですけど、そのバンドが解散するって聞いたので誘ってみたんです。僕はDAIGO☆STARDUST名義でソロデビューしていたけど、もともとはバンドから始まった音楽人生なので、原点回帰として、新たにバンドを組む最後のチャンスだという想いもあったので。だから“2人だけだとちょっとな”と思っていたんですね。SHINPEIとの曲も溜まってきて、当時の事務所の社長から「そろそろレコーディングしようか。最初はアルバムだね」って急に言われて。だったら、同じ時代に同じライブハウスに出ていて、僕のソロにもギタリストとして参加してもらったこともあるAKIHIDEさんに声をかけてみようって。


──AKIHIDEさんもBREAKERZ10周年時のBARKSインタビューで「最後のバンドだと思って参加した」と語っていましたよね。

AKIHIDE:当時は年齢のこととかいろいろ考えて、後にも先にもその一回だけだったんですけど、“音楽をやめようかな”と思ってたんですよ。そんなタイミングで声をかけてもらって、最初は“よし!”みたいなテンションになれずに選択肢を模索して悩んでいたんです。すぐ返事はできなかった。だけど、DAIGOくんが何度か食事に誘ってくれて飲みながらいろんなことを話して……覚えているのは、居酒屋の個室でデモ曲を聴かせてもらったときのことですね。MDウォークマンでイヤホンを片耳ずつさしながら2人で聴いて。

DAIGO:そうそう。

AKIHIDE:その曲が「THE TRAIN'S GONE…」(1stアルバム『BREAKERZ』収録)で、自分の中に“音楽やりたいな。バンドでもう一度夢見たいな”って気持ちが湧き上がってきてたんです。これを最後にするつもりで一緒にやろうって。

DAIGO:確かAKIHIDEさんから電話がかかってきたんですよ。

AKIHIDE:そうだ。3回くらい誘われたんだけど、「やっぱり無理かも」と言ってたんです。でも、思い直して電話したんですよ。で、加入から1週間後にはアルバムのレコーディングをしてましたね。

DAIGO:AKIHIDEさんがBREAKERZに合いそうなストック曲と、新たに作ってくれた曲と2曲持ってきてくれたので、全部で13曲レコーディングしたんです。今思うとAKIHIDEさんには「バンドやりましょう!」と言ったけど、SHINPEIとは、いまだに意思確認してないよね。

SHINPEI:はははは。そうですね。完全にタイミング失いましたね。

DAIGO:「一緒にやろうぜ」っていう言葉がないまま15年。これといったプロポーズもないまま結婚したみたいなね(笑)。

──AKIHIDEさんには三度もプロポーズしたのに。

DAIGO:そこも面白いですよね(笑)。

SHINPEI:そう思うと不思議な始まり方ですね。って今、改めて思いました。

DAIGO:俺とAKIHIDEさんはキャリア的にもBREAKERZが最後のバンドだという感覚が強かったけど、SHINPEIには“これからデビューするんだ”っていうポジティヴな期待があったと思うんですよ。もちろん、“みんなで頑張っていこうぜ!”っていう気持ちは一緒でしたけど。

──3人全員が“最後のバンド”だと思っていたらまた違っただろうし、バランス的にも良かったのかもしれないですね。

DAIGO:3人ともそうだったら、変な崖っぷち感が出ちゃったかもしれないけど、SHINPEIは何もかもが初めての体験で希望に満ち溢れていたから、それが良かったんでしょうね。


──BREAKERZというバンド名には“ぶっ壊す”という意味がありますが、2007年当時は何を壊したかったんでしょうか?

DAIGO:スタートはとにかく自分たちの音を出すことですけど、活動していく中で過去に囚われず、常にBREAKERZをぶっ壊して新しい表現をしていこうって。そういうスタンスは今に至るまでずっと変わっていない気がしますね。

──外に向けて何かを壊すのではなく、BREAKERZを壊して創るみたいな?

DAIGO:そうですね。僕たちなりにいろいろな挑戦をしてきたと思うし、バンド名の通りやってきたのかなと思います。今回の『BREAKERZ BEST -SINGLEZ-』で振り返っても、そういう活動をしてきたなって。最近でいうと「BARABARA」(2020年発表)みたいなコアで激しい曲をリリースした後に、「I love my daughter」のような娘に向けたミディアムチューンの優しいラブソングを発表したり。“バラバラになれ”って歌っていたと思ったら“いつかは歩くのかなヴァージンロード“って歌ってますからね(笑)。それってある意味、ぶっ壊してると思うんですよ。

──自らをぶっ壊しつつ、振り幅がぶっ壊れてます(笑)。

DAIGO:その表現の振り幅が“BREAKERZらしさ”かなって思いますけどね。

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