5人組ロックバンド「SOPHIA」が11日、約9年2カ月ぶりの復活となるライブを東京・日本武道館で開催した。

13年8月12日に同所でライブを開催してから3347日。ライブ恒例だった「ヒマワリ」を持ったファン1・2万人が、復活の夜を見届けた。

  ◇  ◇  ◇

SOPHIAが、5人全員で復活した。メンバーが順番にステージに登場。ドラムの赤松芳朋(48)に続いて、ベースの黒柳能生(よしお=50)、キーボードの都啓一(51)、ギターの豊田和貴(51)が奏でる音が、9年の時を戻すべく、1つずつ重なっていく。

「大切なもの」を披露すると、ボーカル松岡充(51)は「9年もの間待たせてしまった。俺たち5人は離れていたけど、1人1人が現実に向き合ってきた。ここにいる全員そうだろ? ただいま!」。代表曲「街」「Believe」などを次々と披露。初シングルのタイトルにちなんで、ライブでファンが持ってくることが定番だった「ヒマワリ」が、何度も揺れた。

20周年目前だった13年に「僕たちの音楽をまた新たな気持ちで届けるため」と活動を休止。松岡は「自分的には2年くらいのつもりだった」というが、その後、5人が交わることなく、時が過ぎる中、コロナ禍でエンタメ界も打撃を受けた。松岡は「俺らはいつまで待ってるんだろう? と。それで動いたら、みんな賛同してくれました」。

活動休止後、松岡と豊田はユニット「MICHAEL」として活動。都と赤松はそれぞれで音楽活動を継続していたが、黒柳は音楽界から離れており「ほとんど素人状態だったので、“リハビリ”から始めて…。人生で一番練習しました」と復活に備えた。

来年1月8日には大阪城ホールでのライブ開催も決定した。今後について、松岡は「できるだけ長くやりたいですし、『あいつら頑張ってるな』と思ってもらいたい。でも自分たちの年齢も加味しながら、無理せずやっていきたいです」。復活発表後には、多くの音楽仲間からも連絡が来たといい「90年代、百花繚乱(りょうらん)のごとくいたバンドがみんな復活したら、日本がもっと元気になると思う。その起爆剤になれば」と笑顔を見せた。【大友陽平】

 

SOPHIAの軌跡

◆94年 結成

◆95年10月2日 ミニアルバム「BOYS」でメジャーデビュー

◆97年8月30日 初の日本武道館公演を開催

◆10年3月 都啓一が悪性リンパ腫と診断され、一時バンド活動を休止

◆同8月13日 武道館で復活ライブ開催。松岡充主演の「仮面ライダー エターナル」主題歌で復帰。

◆13年8月12日 「僕たちの音楽をまた新たな気持ちで届けるため」、武道館ライブでバンド活動休止

◆同11月9日 松岡らが「MICHAEL(ミカエル)」を結成

◆22年3月27日 MICHAEL活動休止前最後のライブでSOPHIA復活を発表

 

◆SOPHIA(ソフィア) ボーカル松岡充(51)ギター豊田和貴(51)ベース黒柳能生(50)ドラム赤松芳朋(48)キーボード都啓一(51)の5人組で、94年に結成。翌95年にメジャーデビュー。おもな代表曲は「Believe」「little cloud」「街」「黒いブーツ~oh my friend~」で、シングル40枚、アルバム24枚を発売。結成20周年を目前にした13年8月に、武道館公演をもって、バンド活動を休止していた。