デビュー35周年を迎えたロックの女王、白井貴子(57)が、フォーク界の大御所で精神科医、きたやまおさむ(70)の世界を歌った異色のアルバム「涙河(NAMIDAGAWA)」を15日に発売する。

 きたやまは、ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーとして「帰って来たヨッパライ」が大ヒット。作詞家として「戦争を知らない子供たち」や「あの素晴らしい愛をもう一度」「風」「白い色は恋人の色」などを手掛けてきたフォーク界の大御所だ。音楽活動は幅広いが、70歳を迎え、今回の白井とのコラボは、その節目ともいうべき企画だという。13年夏、きたやまのイベントに白井がゲスト出演したのがキッカケとなり、音楽的にも意気投合。その後、何度か共演を重ねていくうちに、2人の共作楽曲が生まれ、アルバム制作に結びついていったという。

 白井は「私にとって、きたやまさんからお声をかけていただくことは人生の冬から春のようにうれしい出来事だった」と言い、その上で「冬から春への季節の力に背中を押されるように完成した」と話した。

 81年にデビューした白井は今年35周年。「CHANCE!」(84年)の大ヒットで一躍スターダムに上りロックの女王として人気者となった。個人名義でのアルバムは実に15年ぶりとなる。

 アルバムは、きたやまの名曲を2人でセレクトすると同時に、2人の共作で生まれた新曲3曲を盛り込み、全14曲を収録した。アルバム発売に合わせ、東京(25日=原宿クエストホール)と京都(19日=都雅都雅)でライブを行う。

 ◆白井貴子(しらい・たかこ)1959年(昭34)1月19日、神奈川・藤沢市生まれ。79年、フェリス女学院短大教育音楽学部ピアノ科を卒業。81年CBSソニーのオーディションを通過しデビュー。84年には9枚目のシングル「CHANCE!」が大ヒット。01年にアルバム「HANA」を発売。