夏の甲子園地方大会が、真っ盛り。高校野球大好き芸人のお笑いコンビ、トータルテンボス藤田憲右(40)が「ハンパねぇ!高校野球」(小学館よしもと新書)を出版。その“高校野球愛”を聞いてみた。

 静岡県立小山高時代は野球部のエースとして活躍。最後の夏は初戦から2試合連続1安打完封、3回戦で強豪静岡商に負けて終わった。「甲子園は遠いところだと自覚していた。最後に負けても『こんなもんだな』と思った。それより、プロはともかく、大学、社会人で野球をやりたいと思っていた」。1浪して進学したが「1歳下と同級生っていうのが嫌」で野球部に入らず、お笑いの世界へ。

 選手として完全燃焼できなかった思いが、高校野球愛に。「2年半だけ。甲子園へも5回しかチャンスがない。期限が限られてるのが魅力。そして、目をつけた選手の成長を、その後も追えるのがいい」。同書では、「将来の夢は高校野球の監督」という藤田が、高校野球の楽しい観戦法や膨大な知識に基づく、知られざるエピソードなどを記している。

 今年の甲子園で見るのを楽しみにしている選手が、2人いる。北北海道大会で17日に勝って準々決勝進出を果たした江陵の左腕、古谷優人投手(3年)。「ネット社会で有望選手は、みんなが知っている。古谷君は全くの無名だったのに、ひと冬越えて150キロを投げるようになった。スライダーもすごい」。もう1人は大阪・履正社の左腕、寺島成輝投手(3年)。「寺島君は中学の時から日本代表でパワーも経験値もある。この2人が甲子園までやって来るのか、そしてプロに入ってどんな活躍をするかが楽しみ」と熱く話した。【小谷野俊哉】

 ◆藤田憲右(ふじた・けんすけ)1975年(昭50)12月30日、静岡県御殿場市生まれ。中央学院大を中退し、大村朋宏と97年にトータルテンボス結成。ツッコミ担当。今月30日~来月5日、東京・神保町花月で「ハンパねぇ!高校野球」ウイーク開催。同イベントの中で上演されるミュージカル「いつだって、スリーボールツーストライク」では31日にゲスト出演。来月2、3日にはトークショーを行う。