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森山未來からニューフェイスまで、若いパワーが爆発した新生「RENT」が誕生
2008年11月10日 21時22分 [ミュージカル・ショー]
ミュージカル「RENT」

1996年2月13日にオフ・ブロードウェイで開幕後、12年間ものロングランを経て今年9月7日にNYでの上演を終了したミュージカル「RENT」。若者たちの直面するリアルな現実を今の時代の音楽で描き、世界中に熱狂的なファンを生み出したこの名作は、そこでひとつのピリオドを打ったのだ。そして今月7日(金)、東京・シアタークリエにて開幕した「RENT」は、新世代版「RENT」とでも言うべき舞台になっていた。

彼女に女性の恋人ができてふられた上に、家賃(レント)を滞納しクリスマス・イブに電気も暖房も止められた映像作家志望のマーク。同居人のロジャーは下の階に住むミミに惹かれながら、自分がHIV陽性であることから厭世的になっている。お互いHIVに感染していることを知りながら瞬く間に恋に落ちたゲイのカップル、コリンズとエンジェル……。NYイーストヴィレッジで、貧困やエイズといった問題を抱えつつも夢を追いかける若者の姿を描く群像劇だ。

演出のエリカ・シュミットは、ブロードウェイ版や映画版でもトレードマークとなっていたマークの眼鏡やパフォーマンスで重要なアイテムだったテーブルなど、おなじみのアイコンを潔く切り捨てる。そこで生まれたのは間違いなく全く新しい「RENT」だった。しかし彼女はスタイルを脱ぎ捨てることで物語性を強め、この作品が本来持つ純粋な精神――今日を精一杯生きる若者の姿――を浮き彫りにしていく。

若いキャストもその「RENT」スピリットに十分に応える。8000人の応募者の中からオーディションで選ばれた彼らは、経歴も個性もバラバラ。森山未來やKら個々で人気を博すアーティストもいるが、彼らと無名に近いキャスト、全員が同じ比重で舞台上に立つ。日本のミュージカル界では画期的なこの構造は、それゆえとんでもないパワーを生み出している。全力投球の演技、歌は圧倒されるほど。そして強い個性がぶつかり合って生まれるハーモニーが奇跡的なほど美しい。

マークを演じる森山未來は高い演技力で舞台を引っ張る。陽気な時の熱さとたまに覗かせる疎外感ゆえの寂しさが絶妙で、彼の持つ身体能力の高さも活かした面白いマーク像を作っている。ロジャー役のKもギターを抱えた姿から死を見つめる暗さが浮かび上がるようで魅力的。コリンズ役の米倉利紀は「I'll Cover You」の熱唱で客席の涙を誘い、また愛らしさ、ピュアな笑顔がまさにエンジェルの辛源との強い絆も見せる。なお上記は初日のキャスト。今回は一部Wキャストになっているので色々な組み合わせが楽しめる。

明日の自分も見えず、ただ今日という日を生きていく若者たち。だがその分一瞬を大切に握り締めて生きていく彼らの姿を、キラキラと輝くキャストたちが体現。初日の観客は絶妙なハンドクラップとあたたかい拍手で、新しい「RENT」の誕生を祝福していた。
公演は12月30日(火)まで、東京・シアタークリエにて。その後1月8日(木)から1月12日(月・祝)まで、大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて行われる。

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