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全国の映画館スタッフの投票によって決定する“映画館大賞”の2008年ベストテン作品が決定。1位はクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』となった。

“映画館大賞”は全国110館の映画館スタッフが2007年12月1日から2008年11月30日に封切られたすべての映画から「映画ファンにスクリーンで観てもらいたい作品」を選ぶもの。1位の『ダークナイト』に次いで、2位にはわずかな差で橋口亮輔監督の『ぐるりのこと。』が輝いた。実行委員会の総評では「見逃せないのは両作ともに共通して描いている“闇”。アメリカと日本と遠く離れた場所で作られていながら、決して明るい話題ばかりでなかった2008年の時代の雰囲気をはからずも共有しています」と2作品の受賞について分析している。

そのほか、ベストテンには、世界各地で支持された、日本の家族の在り方を描いた是枝裕和監督の『歩いても 歩いても』、黒沢清監督の『トウキョウソナタ』や、滝田洋二郎監督の『おくりびと』など、邦画洋画を問わず、ジャンルを超えた作品が選ばれた。「ただ人気があった作品だけでなく、ただ“通”受けする作品だけでなく、さまざまな傾向の映画が『映画館で観てもらいたい』という基準で集結。日々お客さんの生の表情に触れているからこそ、作品の傾向がひと通りでないラインナップになったのでしょう。そこにこそ“全国映画館スタッフの発信する初めての賞”としての、“映画館大賞”の独自の視点がある」と、実行委員会は総評で述べている。映画館スタッフという、映画と観客に毎日触れている人が選ぶからこそ、説得力がある“映画館大賞”。今年のランキングが今から楽しみである。

■“映画館大賞”ベストテン作品
1位　『ダークナイト』
2位　『ぐるりのこと。』
3位　『おくりびと』
4位　『歩いても 歩いても』
5位　『トウキョウソナタ』
6位　『イントゥ・ザ・ワイルド』
7位　『実録・連合赤軍　あさま山荘への道程（みち）』
8位　『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
9位　『ノーカントリー』
10位 『崖の上のポニョ』

■特別部門
「あの人の1本」
みうらじゅん　『ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト』
岩井俊二　『おくりびと』
蒼井優　『百万円と苦虫女』

「蘇る名画」
『幸福』　監督：市川崑

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