タレント ニュース
演 劇

いまや歌舞伎の一ジャンルとして、確固たる人気を誇っているコクーン歌舞伎。その第6弾として2005年に上演され、好評を博した「桜姫」が今夏ふたたび上演されることが決定し、製作発表が3日、都内にて行われた。壇上に立ったのは、コクーン歌舞伎の立役者でもある中村勘三郎のほか、中村七之助、坂東彌十郎、中村扇雀といった歌舞伎界の面々。そしてその横には、現代演劇界に欠かせない役者たちの姿も。大竹しのぶをはじめ、古田新太、白井晃、秋山菜津子という豪華な顔ぶれ。歌舞伎の製作発表になぜ?と思いきや、そこに今回の最大の魅力が隠されている。
1994年に第1回コクーン歌舞伎の幕が開き、今年の「桜姫」が10回目。その記念すべき公演として勘三郎は、演出の串田和美に驚くべき提案を持ちかけた。「『桜姫』を現代劇にしてみてはどうか?」と。その結果、6月には現代劇版の「桜姫」、7月には歌舞伎版の「桜姫」という、かつてない連続上演が決定したのだ。
鶴屋南北の「桜姫」と言えば、吉田家の息女・桜姫を巡る人気狂言のひとつ。出家しようと長谷寺の高僧・清玄の元を訪れた桜姫が、かつて自分を犯した権助に出会い……という愛憎の物語だ。これを現代劇版では、阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史が脚本を担当。詳しくは未定とのことだが、映像での参加となった串田の口からは、「設定はなんと南米のどこかの国。桜姫はマリア、清玄はセルゲイ、権助はゴンザレスという名前になりそうです(笑)」と、意外な事実が明かされた。
勘三郎は、6月と7月の両公演に出演。6月の現代劇版で演じる権助は、大竹演じる桜姫と恋仲になるということで、記者から「ラブシーンは?」という質問が。すると照れをにじませながらも、「あると思いますよ」と一言。勘三郎が女性を相手にラブシーンを演じるのはなんと30年ぶり。しかもその時の相手も大竹だったということで、ふたりが30年ぶりに、いかなるやり取りを見せてくれるかも気になるところ。一方、その桜姫を演じる大竹は、「ライバルは七之助です!」とキッパリ。対して、7月の歌舞伎版で桜姫を演じる七之助は、「僕の大好きな大竹しのぶさんと同じ役をやらせていただくということで、これから眠れない毎日が続くんじゃないかな……」と弱気なコメント。しかし「精一杯頑張りたいと思います!」と続け、大役への意欲を見せた。
なお、会見には参加出来なかったが、中村橋之助や笹野高史ら、コクーン歌舞伎の常連組ももちろん出演。特に笹野は、勘三郎と同じく6月、7月の両作品に出演する。現代と古典の競演、どちらも見逃せない作品になることは間違いないだろう。公演は現代劇版が6月7日(日)から30日(火)まで、歌舞伎版が7月9日(木)から30日(木)まで。ともに会場は東京・シアターコクーン。チケットは現代劇版が4月29日(水・祝)、歌舞伎版が5月31日(日)に一般発売開始する。尚、@電子チケットぴあでは、現代劇版の先行抽選販売を4月11日(土)より受付ける。
取材・文:野上瑠美子
関連リンク(外部リンク)
関連タレント
演劇のニュース もっと見る
-
演 劇
2022年07月15日 19時00分 更新「とんでもなく面白い」 舞台『ヒトラーを画家にする話』まもなく開幕へ -
演 劇
2022年07月15日 18時55分 更新ミュージカル『春のめざめ』開幕、抑圧の中で芽吹く性の行方 -
演 劇
2022年07月15日 18時50分 更新「今年は今年の面白さ」 KAATキッズ・プログラムが今年も開幕へ -
演 劇
2022年07月13日 13時00分 更新乃木坂46の久保史緒里が決して“笑わない”花魁役に -
演 劇
2022年07月12日 10時00分 更新円神・山田恭「翼を授かって自信に変えたい」、白鳥雄介の新作で