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昏睡状態にあった学生運動の闘士が目覚め、“イマドキ”の高校生に影響を与えていく……2007年の初演時、幅広い世代に感動を呼び起こしたKOMAMI@network『僕たちの好きだった革命』の再演が決定した。制作発表ならぬ“制服発表”が4月23日、都内の稽古場で行われた。
激動の1969年、高校2年生だった山崎義孝(中村雅俊)は機動隊の催涙弾を受けて意識を失う。30年後の1999年、彼は目を覚まし高校2年への再入学を決意。そこで出会ったのは小野未来(片瀬那奈)や日比野篤志(塩谷瞬)ら現代を生きる高校生たちだった。彼らは文化祭に憧れのラッパー(GAKU-MC)を呼びたいと願っていたが、学校側はそれを禁じる。やがて、山崎の存在が高校生たちの心を揺り動かしていく……というストーリー。
舞台が高校、今が4月ということで全員が制服姿で登壇したこの日の記者会見。作・演出の鴻上尚史は再演の経緯を「堤幸彦監督とこの作品の話をしたのが2000年の頃。最初は映画の企画としてスタートしたが、色々あって舞台化することに。2007年の初演はおかげさまで好評をいただいて、早く見たいという声と、1969年から40年ということもあり、早く再演できることになった」と説明。
初演時、まさにはまり役との声も高かった主演・中村雅俊は「回を重ねるごとに手応えを感じた作品。2年前のものをレベルアップし、さらに良いものにしたい」とコメント。彼自身、70年代をその身で感じているひとりとあって「1969年の1月、安田講堂の攻防の映像を宮城の田舎で見ていた。そのすぐ後に上京し、非常にカルチャーショックを受けた。学生時代はちょうど70年安保の時で、クラス討論も実際によくあったし、学生運動は身近なものとしてあった」と当時の思い出話を語った。
「また共演者の皆さんと会えたのも嬉しいし、観客のみなさんに会えるのも嬉しい。前回は初舞台だったので温かい目で見ていただいたと思うが、今回は2回目なので気を引き締めたい」(片瀬)、「新しい演出が鴻上さんよりついて、前作よりパワーアップした作品を見せることができると思う。ぜひたくさんの人に観てほしい」(塩谷)と、メインキャストの面々も再演の嬉しさと、それにかける意気込みは十分な様子。初演時にあったという中村の天然ボケエピソードも飛び出し、稽古場の連帯感の強さを感じさせた。
“あの時代”は一体何だったのか?現在、さまざまな方面から再検証の動きが高まる60・70年代。堤幸彦、鴻上尚史はその答えを“エンタテインメント”として昇華した。
公演は、5月19日(火)〜31日(日)まで、東京芸術劇場 中ホール、6月27日(土)・28日(日)大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。他に、札幌、石巻、福島、愛知、広島でも上演される。
取材・文:川口有紀
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