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原作者のダン・ブラウンによる独創的な宗教解釈で、激しい論争を巻き起こした大ヒット作『ダ・ヴィンチ・コード』から3年。ついにあの宗教象徴学者、ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)がスクリーンに帰って来た。物語の舞台をカトリック教会の総本山、ヴァチカンに移した全世界注目の話題作『天使と悪魔』で、前作に引き続きメガホンを取ったロン・ハワード監督に話を聞いた。
「ヴァチカンから撮影許可が得られないことは最初から分かっていた」とハワード監督。国全体が世界遺産であると同時に、物議を醸した前作の影響もあり、ヴァチカンでの撮影はかなわなかったが、360度グリーンバックでの撮影をはじめ、こだわり抜いた映像世界はリアリティー満点だ。また、観光地であるローマでのロケ撮影にも「90秒間以上、観光客を足止めしてはいけない」など、数多くの規制があり、大スターであるトム・ハンクスが一般人に紛れながら、ゲリラ撮影に臨んだこともあったそうだ。「法律を破ったわけじゃないよ。許可を取ったわけでもないけど(笑)。この作品は莫大な製作費をかけた大作だけど、時にインディペンデント映画のような手法も用いたのさ」とさりげなく語れるのは、やはり名監督の風格か。
『天使と悪魔』が投げかけるテーマはズバリ「宗教と科学の対立」。『ダ・ヴィンチ・コード』以上の論争も予想されるが「前回の経験もあるから、今回はそれほどプレッシャーはないね。ダン・ブラウンの原作の良さは、いろんな視点から人々に疑問を投げかける点だ」とハワード監督。「僕としては、特定の宗教を侮辱するつもりはまったくない。ただ、組織化された宗教が、対立を生み出し、世界の平和や調和を乱していることも事実。そういうテーマを娯楽映画として問いかけてみたいんだ。いくら僕が言葉で力説しても、誰も聞いてくれないからね(笑)」。
本年度アカデミー賞にノミネートされた『フロスト×ニクソン』とほぼ同時期に製作が進行し、サルヴァトーレ・トッチーノ(撮影)、マイク・ヒル&ダン・ハンリー(編集)ら優秀なスタッフが両作品を手掛けた結果、前作以上にモダンでスピーディーな作品に仕上がった『天使と悪魔』。ハワード監督は「前回に比べて撮影そのものも楽しかったし、臨場感も増していると思う。ぜひ観客のみんなには傍観者としてではなく、ラングドン教授と一緒に冒険を体感してほしいな」と渾身の自信作をアピールした。
『天使と悪魔』
5月15日(金)全世界同時公開
取材・文・撮影:内田涼
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