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2007年の初来日公演が好評を博したブロードウェイ・ミュージカル「ヘアスプレー」の再来日公演が、6月2日、東京厚生年金会館で幕を開けた。前回の来日公演を知るキャストがメインを務め、会場と舞台との呼吸が初日からピタリと合った上々の公演スタートとなった。
●初日レポート
幕開けを飾るナンバー「グッド・モーニング・ボルチモア」。主人公トレイシーに扮するブルックリン・プルバーが、名刺代わりの1曲でいきなり見せ場を作る。主人公トレイシーが、朝、ベッドで目覚め、ヘアスタイルを整えて、学校へ。たったそれだけの合間に歌われる歌なのだが、彼女が歌に込める思いは熱くて大きい。わが街ボルチモアへの思い、街の人々への、いや世界中の人々への愛、絶対スターになってみせるという誓い――。ご覧の通り、トレイシーははちきれそうなビッグバディ。正直、スターになれそうなルックスではないかもしれない。だが自分の夢や恋にまっしぐら、街から世界から全部まとめて愛で包み込むポジティブさは、観客席の共感を根こそぎさらっていく。初来日公演でもこの役で喝采を集めたブルックリン・プルバーが、トーキョーに帰ってきた。
彼女だけではない。このカンパニー最大の特長は、歌に達者なタレントをずらりと揃えたところだ。ソロにコーラスに、どこを切っても歌のハイパフォーマンスが目白押し。カラフルで躍動的なダンス・ナンバーもたっぷりで、好調に飛ばしていく。
トレイシーは、念願が適い、ついにTVのダンスショーのメンバーに。だが、黒人の友だちとともに、白人中心主義のTV番組の方針に反対して行進を行ったトレイシーは、警察からもマークされ、あわや番組から降ろされるピンチに。だがこの作品にはハッピーエンドしかあり得ない。ラストは、敵も味方も、黒人も白人も、すべての壁をとり払って盛り上がる一大ダンス・ナンバー「ユー・キャント・ストップ・ザ・ビート」。観客席も、ここは座ってなどいられない気分だ。総立ちで踊る会場に、主人公トレイシーが伝えようとした、まっすぐな愛のメッセージの実現を見た気がした。
●観劇した著名人のコメント
「他人と違ったっていい。自分を好きになってなにがいけないの?っていう主人公トレイシーに、みなさんも勇気をもらえるんじゃないかな。会場の空気も熱くて、元気になりました」(椿姫彩菜)
「日本の観客はテンションが低いといわれるけど、ラストは全員総立ちでしたね。普段ミュージカルを観ない人も楽しめると思う。自分にコンプレックスを持っている人はぜひ!」(桜塚やっくん)
「桜塚やっくんと隣りの席だったんですが、彼もノリノリ、その前の席に座っていた人も全身を揺すっていました。キャストの歌唱力が最高でした!」(阿部力)
「わたし自身、ちょっと変わった声の持ち主ですが、この声でもヒロインになれる!と思いました。今まで観たミュージカルの中で最高傑作です」(山崎バニラ)
なお、公演は東京厚生年金会館 大ホールにて、6月14日(日)まで行われる。
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