タレントweeker

6月19日からアメリカ・ニューヨークで行われていた「NYアジア映画祭」のクロージング上映として、園子温監督の『ちゃんと伝える』ワールドプレミアが開催され、園監督と主演の奥田瑛二がNYを訪れた。同映画祭では園監督の『愛のむきだし』も上映され、こちらは審査員グランプリを受賞するという快挙。会場を埋めた日本人、アメリカ人入り交じった観客は園監督が描くリアリティの中にあるシュールな世界を堪能していた。

『愛のむきだし』に二女の安藤サクラが出演していることもあり、奥田瑛二と園監督は勝手知ったる仲。奥田は安藤から撮影開始前に「園監督と絶対に一緒にお酒を飲まないで」と注意されたと言う。それは、ふたりとも酒豪なため、撮影を中断してしまう可能性を心配したらしい。「ここで幸せそうに一緒にいることが物語っています」（奥田）と愛娘の心配は杞憂に終わったことを報告した。

癌で余命を宣告された父（奥田）と息子（AKIRA）の心の交流を描いた本作で、奥田は亡くなった後の姿を長いこと演じている。「ハリウッド、ヨーロッパでもこんなに長い時間死体を演じた俳優はいないんじゃないか」と、満足そうに語っていた。園監督へ質問が投げられるたびにはぐらかしている姿を見て、「ちゃんと答えなさいよ」と奥田がたしなめる瞬間も。この作品は去年亡くなった父親との関係がインスピレーションとなっていることもあり、「恥ずかしくて何も言いたくないというのもあったんです」（園子温監督）と、弁明していた。また、観客から「今後の展望」を聞かれた園監督は「早く結婚したいです」とプライベートでの展望を明かし、場内は爆笑の渦に巻き込まれ、NYでのワールドプレミアを無事終了させた。

取材・文・写真：平井伊都子

『ちゃんと伝える』
8月22日（土）シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開

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