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世界的な演出家・蜷川幸雄率いる、次代を担う若手俳優の育成を目指す新劇団『さいたまネクスト・シアター』が発足。その旗揚げ公演「真田風雲録」の製作発表記者会見が4日、ホームグラウンドとなる彩の国さいたま芸術劇場で行われた。
メンバーは、全員オーディションで選ばれた演劇系大学や専門学校の卒業生、劇団主宰者、現役大学生など、経験も出自も様々な19〜30歳の男女44名(男性27名・女性17名)。蜷川と「真田風雲録」の作者・福田善之同席のもと、応募総数1225名が、延べ108時間に及ぶ過酷なオーディションを勝ち抜いた個性豊かな面々の初お披露目となった。
同劇場の芸術監督を務める蜷川は、2006年に55歳以上の高齢者からなる劇団『さいたまゴールド・シアター』を立ち上げ、成功を収めている。それと対を成す“ネクスト・シアター”発足について、「ゴールド・シアターが成長するにつれて、車の両輪のように、高齢者と若者のふたつの集団を持つことが健全な姿ではないかと考えるようになった。ゴールド・シアターでは若い劇作家の作品をやり、ネクスト・シアターでは比較的高齢の劇作家に作品を提供していただく。このふたつを交錯させることによって日本の演劇界に欠けている部分が埋まっていくのではないかと考えている」と話した。経験も出自もさまざまな若い劇団員たちに共通するのは、蜷川曰く「ノイズの多い顔」。「最近のテレビなんかを見ると、似た俳優が多い印象を受ける。でももう少し規格から外れて、ノイズがあってもいいんじゃないかと。いずれにせよ、均一化された空間や生き方が反映された俳優にはなってほしくないね」と、スタートラインに立った若者たちに厳しくも温かいエールを贈った。
また、彼らにとっては祖父母世代にあたるさいたまゴールド・シアターの面々も“後輩”の門出を祝いに駆けつけ、世代を超えて芝居に燃える80名超が一堂に会した。蜷川は「両世代が揃うと悪夢のようですね。命が吸い取られそう」と苦笑いするも、自身も73歳にしてなおも高まる情熱を全身にみなぎらせていた。
「真田風雲録」は、10月15日(木)から11月1日(日)まで、彩の国さいたま芸術劇場 大ホール特設劇場(埼玉県)にて上演される。チケットは発売中。
取材・文:武田吏都
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