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人気放送作家・鈴木おさむが、自身のエッセイ『テレビのなみだ 仕事に悩めるあなたへの77話』を原作に、脚本・演出を手掛ける舞台『テレビのなみだ』が、東京グローブ座にて上演中だ。
主演は劇団ひとり。自身が手がける公演を除き、南海キャンディーズのしずちゃんと共演した、同じく鈴木おさむ作・演出の『うす皮一枚』以来、劇団ひとりの舞台出演は、約6年半ぶりとなる。「演出家さんによっては、その意図を掴むのが難しいなって思うこともありますが、前回の『うす皮一枚』での印象ですけど、おさむさんの演出はすごく具体的で分かりやすかった」と語り、鈴木演出作品への高い信頼を伺わせる劇団ひとり。
「おさむさんは、とにかくアグレッシブでいろんなことに興味を持つ方ですが、いちばんすごいなって思うのは、トップクラスの作家さんなのに、全く威圧感を感じさせないところです。僕たち芸人が何かを提案した時、すっと聞き入れてくれる懐の深さがある。芸人に愛される人柄なんです。今回もおさむさんの依頼じゃなかったら僕は引き受けていないですからね。だって、演劇って大変なイメージしかないですから」。
今作で劇団ひとりが演じる主人公は、バラエティ番組の制作に熱意を傾けるテレビマン。その妻(西田尚美)が病身となり余命を宣告された時、主人公の心は仕事を続けるべきか、妻と共に過ごす時間をとるべきかの狭間で揺れ続ける。「今、僕自身がそういう状況におかれたら、きっと家族をとります。もちろんできれば両立させたいとは思うでしょうけど」。
普段、自身の舞台では主役、台本、演出とすべてを一人でこなす、劇団ひとり。もちろん、それは常に“笑い”が中心の舞台となるわけだが、「皆さんがテレビやコントから受けている僕のイメージというか固定概念みたいなものは、一度捨てて観てもらえると嬉しいですね。僕もなるべく普段の自分を切り離してフラットにしつつも、どこかエッジの効いたキャラクターを演じられたらいいなと思っています」と語る。
その成果は、ぜひ自身の目で確かめてみて欲しい。3月31日(日)まで。チケット発売中。
取材・文:成瀬有一
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