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大泉洋らを擁し、地元・北海道に留まらない全国的人気を得ている劇団TEAM NACS。そのリーダーの森崎博之が、北海道帯広市に実在する倒産寸前だったバス会社の再生を描くミュージカル『KACHI BUS』に主演する。森崎以外にもスタッフ、キャストの大半を北海道出身者で固めた本作。“北海道ラブ”に満ちた主演作に早くも鼻息の荒い森崎に、熱い意気込みを聞いた。
まず目を引くのは自身初となる“ミュージカル”への挑戦。「ウチ(TEAM NACS)はみんなわりと歌が上手いのでCDデビューしてもいいぐらいなんですが、あまりに下手な僕がいるためにそれが叶いません。だからミュージカルの舞台に立つなんて、僕の人生の設計図には全くありませんでした。もちろん北海道の物語がミュージカル化されて東京で上演されるなんて大変有意義でぜひやりたいけれど、ひとつ条件を出させていただいたんです。『歌わなくていいですか?』と(笑)」
森崎にとってはダメ元の提案だったが、制作サイドからまさかのOKが。前代未聞、主役が歌わないミュージカルが誕生する!?「でもNACSメンバー含むみんなに『せっかくミュージカルに出るのに歌わないなんてありえねえぞ!』と責められてます。『歌う気は毛頭ない!』と頑なに言い続けていますが、私はこれまでも長いものに巻かれながら、コロッコロッと心変わりで生きてきましたんで……」と、含みを持たせた発言も。だが苦手意識は根強いようで、「皆さんと一緒に歌うところはもちろんありますが、ソロなんてとんでもない。恐ろしいです! 私はお客さんに感動を伝えたいのに、逆に迷惑をかけてしまう……」。本番は果たして? 今回も“心変わり”に期待したいところだ。
森崎が演じるのは、東京でのサラリーマン生活を捨てて赤字にあえぐ実家のバス会社を継ぎ、理想に邁進する熱血社長・吉沢文太。劇団を率いる自分になぞらえ、「(自分に)近い人物だと勝手に思っている」と語る。
「文太のモデルになった「十勝バス」の野村社長は、バスに乗せる側じゃなくて乗る側の立場でものを見ている方。そこにものすごい賛同しました。TEAM NACSの舞台も自分たちがやりたいものというより、お客さんに「来てよかった」と思ってもらうためにはどうすればいいかってことを考えて脚本を書いているつもりなんです。そうして赤字を立て直せたというのであれば、僕にとっても真っ当なことであって、特別なことをやっている人とは思えない。Facebookのザッカーバーグをやれと言われたらかなりキツいけど(笑)、同じ思いを持っている文太なら演じやすいかもしれないなと思います」
公演は2014年1月5日(日)から13日(月・祝)まで、東京・本多劇場にて。チケット発売中。
取材・文:武田吏都
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