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柳楽優弥、舞台『金閣寺』で三島文学の美に迫る!
2014年02月10日 18時15分 [演劇]
柳楽優弥
柳楽優弥

三島由紀夫の原作小説を宮本亜門演出で舞台化した『金閣寺』が、新キャストで生まれ変わる。2011年に初演の幕を開けた『金閣寺』は、自我と美を追求して苦悩する青年の姿を鋭く描き出し、多くの共感と評価を得た舞台だ。リンカーンセンター・フェスティバル2011の正式招待を受けたNY公演でも、大成功を収めた衝撃作である。物語は、吃音のコンプレックスから疎外感に苛まれる青年・溝口と彼に関わるふたりの友人を軸に、現代にも通じる若者たちのもがく生きざまを綴ったもの。今回、宮本に「まさに溝口!」と見出され、新たな主人公として抜擢されたのが柳楽優弥だ。初舞台の『海辺のカフカ』(2012年、蜷川幸雄演出)に続き2度目の舞台出演となる柳楽に、話題作へと挑む胸のうちを聞いた。

『金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-』チケット情報

「『金閣寺』に出て来る“内界と外界との間の扉”や、その扉を開ける“鍵が錆びている”といった言葉が素敵だなと感じました。世の中のことをそういう風に考える人もいるんだ…と思うと、どこか救われたような気分になった。シチュエーションは違うけど似たように感じたことはありましたから。自分に置き換えて想像すると、どんどん溝口のことが好きになっていきましたね」。

宮本に「楽しもうね」と気さくに声をかけられて驚きを感じたほど、初舞台の体験は厳しいものだったそうだ。「すごく追い込まれて怖かったですね。蜷川さんは“追い込んでなんかない”と言われると思いますが(笑)。でもあの経験が『金閣寺』につながっているので、出演できて本当に良かったです。一番良かったなと思うのは、何百人ものお客さんの前に立って“やるしかない!”という気持ちになれたこと。そんな風に胸を張る感覚を得られたことが嬉しかった。でもまだわからないことがたくさんあるので、作品のことだけでなく役者としての相談も亜門さんにさせてもらえたらいいなと思っています」。

こうしてまとめると流暢な答に見えるが、以上のことは柳楽が首をひねり、空を仰ぎ、考えに考えて、時間をかけて懸命に絞り出した言葉をつなげたものだ。途中で申し訳なさそうに「僕、全然しゃべれてませんけどやる気がないんじゃなくて、もうやる気しかないんです。でもうまく伝えられなくてすみません」と頭を下げる。そんな彼の朴訥な魅力の中に、宮本は溝口を見たのだろう。溝口は金閣寺を最上の美と崇めた。柳楽に美と感じるものをたずねたら「茶道を習っているので、その所作」という答が返ってきた。「伝統の中にある美、その深さを知っていけることが嬉しいんです」。

溝口に扮した柳楽が追い求める『金閣寺』。新しく立ち上がるその美しい情景をぜひとも分かち合いたい。

公演は4月5日(土)から19日(土)まで東京・赤坂ACT シアターにて。チケットの一般発売は3月1日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選を実施、2月10日(月)午前11時から16日(日)午前11時まで受付。

取材・文:上野紀子

チケットぴあ

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