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2008年度のトニー賞で最優秀作品賞、楽曲賞を含む4部門受賞したブロードウェイの傑作ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』が松下優也、ミュージシャンのMicro(Def Tech)らパワフルな日本人キャストにより上演される。3月5日、都内の稽古場で全キャスト18名が参加しての制作発表記者会見が行われた。演出・振付のTETSUHARU、歌詞を手掛けたKREVAも登壇し、エネルギッシュで心温まる本作の魅力を伝えた。
舞台は、ニューヨーク・マンハッタンの北西部に位置し、中南米移民が多く住む街“ワシントンハイツ”。タクシー会社で働くベニー(松下優也)と食料雑貨店を営むウスナビ(Micro)は、それぞれに悩みと恋する女性への思いを抱えながら暮らしていた。そんなある日、街の母親的存在のアブエラ(前田美波里)に、住民たちを大きく揺るがす奇跡が起きる……。
会見は、15名のキャストによる劇中歌「96000」のお披露目からスタート。『イン・ザ・ハイツ』は、サルサやメレンゲといったラテン音楽、ヒップホップで全編がつづられた革新的なミュージカルで、聴かせどころとなるこのナンバーも実にホットだ。もともとラップが本職のMicroと、R&Bシンガーでもある松下との掛け合いもバッチリ。この日初めて見たというKREVAは「お前らスゲーな!!」と、ラテンの魂を体現したキャストに手放しの賛辞を贈ったが、もちろん彼も日本版「イン・ザ・ハイツ」のキーマンの一人。演出のTETSUHARUは、「日本でやるにあたってはラップの歌詞をどうするかという大きな課題があった。でもKREVAさんから初めてデモ音源をいただいたとき全身鳥肌が立って、『これは間違いない!』っていうのがまずありました」と、確かな手応えを得たそう。初舞台となるMicroも彼の言葉の力に動かされた一人で、「僕にはできないと思って最初お断りしたんです。でもKREVAくんの音源がほんとカッコいいものだったのでこれを100%信じて、自分のできる全てで新しい挑戦をしてみようと思いました」と語った。
ベニー役の松下は、「なぜ今までこういう作品がなかったのかなと思うぐらい、ラップってミュージカルにすごく合ってる。芝居として昇華しないといけないのは難しいところですけど、ものすごいパワーを持ったスタッフ、キャストたちと頑張っていきたい」。昨年、原作者と対面し、舞台のワシントンハイツも訪れたという松下からは、作品に負けず劣らずの熱が伝わる。そのベニーが恋するニーナ役の梅田彩佳(AKB48)は、「AKBとしてのこの7年間では未経験のことばかりで毎日刺激的。日々の壁はとても高いですが、千秋楽を笑顔で迎えたい」と、初舞台へ向けたフレッシュな思いを語った。
公演は4月4日(金)から20日(日)まで東京・シアターコクーンにて。その後、大阪、福岡、愛知、神奈川でも公演。チケット発売中。
取材・文:武田吏都
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