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気鋭監督によるラブ・ドラマ第1弾は瀬々監督最新作
2014年06月13日 17時55分 [邦画]
瀬々敬久監督

これから秋にかけて計6作品が発表される「ラブストーリーズ」シリーズは、ひとつ注目したい試みだ。というのも映画の定番かつ命題といえる“愛”をテーマに競作するのは、『死にゆく妻との旅路』の塙幸成や、『苦役列車』などの脚本家としても活躍するいまおかしんじらこれまでひと味違う愛の形を描いてきたキャリア豊富な気鋭監督たち。その先陣を切って『ヘヴンズ ストーリー』などで国内外から高い評価を得る瀬々敬久監督の最新作が届いた。

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今回、瀬々監督が作り上げた『マリアの乳房』は、かつて超能力少女として一斉を風靡した真生が主人公。この設定についてこう明かす。「80年代、90年代から創作活動をしてきた僕のような人間にとって一連のオウム事件は避けて通れないところがある。その影響は大きく、ことあるごとに、カルトやオカルトの持つ神秘主義的なことに意識がいく。その中で近年、神秘主義的なことが世の中と親和性をもったというか。少し違う形で表れてきているのではないかと思った。例えば超能力者ではないけど、一連の小保方さんの騒動なんかは“魔女狩り”的なものに似ている。特殊な能力をもった人物を描くことで、ひとつ今の社会状況や現代人の意識や思考が自然と浮かびあがるのではないかと思ったんです」。

真生が持つ特殊能力は人の死期を読み取ること。寂れた地方都市で売春婦として街角に立ちながら彼女は最期の迫る男たちに対価をもらうことなく体を捧げ続ける。いわば“無償の愛”の物語に思えるが本作はそこで終わらない。最期に彼女は辛らつな愛を味わうことになる。「どんなことも表と裏がある。世の中から尊いとされる“無償の行為”も一歩間違えれば悪行になりかねない。そのことを知って彼女はようやく真実の愛に気づく。愛は難しい(笑)」。

その真生は佐々木心音が演じた。『フィギュアなあなた』でも注目を集めた彼女だが、今回も異端のミューズとして大きな存在感を放つ。「芝居に対してものすごく貪欲で妥協がない。躊躇してもおかしくない役に真正面から向き合って演じきってくれました」。

聞くと撮影は4日間。『アントキノイノチ』といったメジャー大作を手掛ける一方で、今回のようなエロス要素のあるロー・バジェットのインディーズ作品でも手腕を振るう瀬々監督。そこに境界線はないと語る。「4日間で撮る映画にも、それだから成しえるチャレンジや醍醐味が必ずある。今後もこのスタンスでいきたい」。

『マリアの乳房』
6月14日より新宿K's cinemaにてレイト公開

取材・文・写真:水上賢治

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