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昭和史研究の第一人者・半藤一利のノンフィクションを原作にした映画『日本のいちばん長い日』が、役所広司主演で映画化され、来年8月に公開されることが発表された。役所のほか本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努らが出演し、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』の原田眞人が監督・脚本を手がける。
半藤氏が1965年に大宅壮一名義で出版した『日本のいちばん長い日』は、岡本喜八監督によって過去に映画化されているが、本作は、そのリメイクではなく、半藤の著書『聖断』の要素も加えて、完全な新作として、終戦の舞台裏で今日の平和の礎を築くため、身を挺し闘った人々の物語を描くという。役所が陸軍大臣・阿南惟幾(あなみ・これちか)を演じ、本木雅弘は昭和天皇を、山崎努は内閣総理大臣・鈴木貫太郎、堤真一は内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)、そして松坂桃李は終戦に反対し日本の未来を想いながらも、狂気に駆られていく若手将校を演じる。
『わが母の記』に続いてタッグを組む役所は「原田監督作品への久しぶりの参加となりました。今回演じさせていただいた、阿南という人物は、戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした。各個人それぞれの“家族”、そして天皇を中心とした日本という“家族”、その“家族”というテーマに重きを置いて描かれていることが、この作品の最大の魅力ではないでしょうか」と語り、「山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです」とコメントしている。
原田監督は「今回は『THE EMPEROR IN AUGUST』という英語タイトルをつけました。1945年8月に昭和天皇が語られた一言一言が、今を生きる自分の心に深く突き刺さるからです。あの8月、天皇が自分の言葉で語り始めなければ、若き日の両親は国土防衛戦に巻き込まれ、命を落としていたでしょう。半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました。昭和天皇はあの8月まですべての家族の“家長”でありました。年齢的には、この三人は貫太郎さんを家長とする長男と次男の家族でもあり、そこに映画の根っこを置きました。映画『日本のいちばん長い日』は、幾重にも交錯する家族の、存亡を賭けた4カ月のドラマです」と語っている。
『日本のいちばん長い日』
2015年8月公開
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