タレント ニュース
演 劇
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)の、第54回本公演『土九六(どくろ)村へようこそ』が、10月21日(金)に開幕する。約半月後に本番を控えた稽古場にお邪魔した。
本作は、SETの新作。物語の舞台は小さな「土九六村」。村民は祭りを催し、今年の豊作を「ドクロ様」に祈っていた。ところが村の若者たちは「ドクロ様」「村のしきたり」に違和感を覚え、親世代とぶつかる。そんな中、村には移動型ミュージカル劇団「放浪座」がやってくる。実は彼らは単なる劇団ではなかった――。
稽古場では、演出と出演を務める座長・三宅裕司を前に、ダンスのチェックが行われていた。出演者全員によるキレのあるダンスは圧巻だが、三宅は立ち位置や見え方の調整はもちろん、「腕の位置はそこでいい?」など細かい部分まで見逃さず、丁寧にキッチリと詰めていく。大きく変わったわけではないのに、グッと見やすさがあがっていた。
ダンスの後は、コメディシーンの確認。とある“歌がハモれない”場面では、わざと音をずらすのが意外と難しいようで、微妙な音で苦戦。すると「(取材陣がいる中で)SETが音を取れないと思われるのでやめてください!」というツッコミが入り、稽古場は大爆笑。
そんな中でもひときわ大きな笑いをさらうのは、やはり小倉久寛。登場シーンからインパクト抜群だったが、エグザイル風ダンスシーンでは独特の存在感を爆発! さらに三宅とふたりのシーンはさすがのコンビネーションで、何気ない会話すら面白く感じさせていた。
その後、稽古はアクションシーンへと続き、わずか1、2時間の間に踊り、歌、殺陣、芝居とさまざまな稽古をすることに驚いた。しかし、稽古場には“ミュージカル・アクション・コメディー”をつくり続ける劇団ならではの「何が来ても大丈夫」な空気があった。三宅は稽古中、「そこは息がぴったり合った方が面白い」「差を見せるためにもうちょっと長さがほしい」など、ただ動きを調整するのではなく“なぜそうした方がいいか”を必ず伝えていた。団員は入れ代わり立ち代わり三宅のもとに訪れ、気になる動きやセリフの確認をする。稽古場を見渡すと、あちこちで団員同士がシーンの相談をしていた。なぜSETは鮮度を失わずに走り続けているのかがわかる稽古場だと感じた。
公演は10月21日(金)から11月6日(日)まで東京・サンシャイン劇場、11月11日(金)・12日(土)愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて。
取材・文:中川實穗
関連リンク(外部リンク)
関連タレント
演劇のニュース もっと見る
-
演 劇
2022年07月15日 19時00分 更新「とんでもなく面白い」 舞台『ヒトラーを画家にする話』まもなく開幕へ -
演 劇
2022年07月15日 18時55分 更新ミュージカル『春のめざめ』開幕、抑圧の中で芽吹く性の行方 -
演 劇
2022年07月15日 18時50分 更新「今年は今年の面白さ」 KAATキッズ・プログラムが今年も開幕へ -
演 劇
2022年07月13日 13時00分 更新乃木坂46の久保史緒里が決して“笑わない”花魁役に -
演 劇
2022年07月12日 10時00分 更新円神・山田恭「翼を授かって自信に変えたい」、白鳥雄介の新作で