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太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の2017年ラストを飾る『打男 DADAN 2017』が12月20日(水)から24日(日)まで東京・文京シビックホール 大ホールにて上演される。
本作は、鼓童の芸術監督を勤めた坂東玉三郎が演出を手掛ける作品の中でも、あくまで「叩く」ことにこだわった人気作品。選りすぐりの奏者が太鼓をひたすら叩く“和太鼓の力”を柱としており、2009年の初演以来、フランス公演、香港公演、ブラジル公演、そして今年のアメリカ公演も成功をおさめ、“日本再上陸”して10月から全国27都市を巡っている。
初演から出演する坂本雅幸、この作品に挑むのは今回が初となる小松崎正吾に話を聞いた。
初めて参加する小松崎が「すごく“打つ”ことに特化した、太鼓打ちとして広い音の表現をする作品で。今回出演させてもらえることになって、やっときたか!という感じです」と意気込む本作。坂本も「鼓童の作品は基本的に笛が入ったり、踊りがあったりするのですが、この作品はとにかくずっと打ちっぱなし。メロディ楽器も入るのですがそれも打楽器なんですよ(笑)」と言うように、休憩込みで2時間とにかく“打つ男”が楽しめる。
2時間打ちっぱなしの演奏は「後半は体力的にはかなり辛いのですが、やっぱりそれが魅力でもあるので」(坂本)と“全身全霊で打つ姿”こそが作品そのものだという。「特に雅幸さんはクライマックスの演目でギリギリまで叩くのですが、見ていて『限界なんじゃないか』と思うところからもう一押しするんですよ。そこで生まれる何かがお客様と共鳴していくような空気もあって。僕らも気合いが入ります!」(小松崎)。そんなギリギリの状態でなお“もう一押し”することについて坂本は「経験というより気持ちの部分が大きい。だから稽古でそこまで持っていくのはなかなか難しいんですよ。やっぱり本番のテンション、お客様の存在が大きいので」。
演出の玉三郎からは「とにかくニュアンスを大事にと言われます。打楽器だけで見せるぶん、単調になると面白くなくなっちゃいますから。でも奏者はどんどん打ちたくなってしまうような演目なので。そこを指摘され、修正するんですけどまた気付いたらやりたい放題やりだして、怒られるという繰り返しです(笑)」(坂本)。「その“やりたい気持ち”を抑えられてるからこそ出るエネルギーというのも、すごく魅力的なんですよね。自分たちのエネルギーと比例してお客様の熱量が上がるのがどの作品よりわかりやすく感じます」(小松崎)。
2006年から鼓童で活躍してきた坂本にとってラストでもある公演は、12月20日(水)から24日(日)まで東京・文京シビックホール 大ホールにて上演。
取材・文:中川實穂
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