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ヨーロッパで大人気のファンタジー、子どものためのオペラ《ゴールド!》〜少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり(レオナルド・エヴァース作曲)が8月12日(木)・13日(金)に上演される(東京芸術劇場シアターイースト)。東京都と都響主催のサラダ音楽祭の一環。2012年にオランダで初演された作品で、これが日本初演。
貧しいヤーコプが不思議な魚を助けたことから始まるさまざまな奇跡と「幸福」をめぐる家族の物語。原作はグリム童話の『漁師とおかみさん』で、主人公の漁師が男の子に替えられている。
演出と日本語訳を手がけるのはドイツを拠点に活躍する演出家・菅尾友。
「ドイツでは本当にどこに行っても上演されているという感じで、多くの劇場がそれぞれ独自のプロダクションを作っています。頻繁に取り上げられるだけあって、よくできているんです。オペラの入口として非常にわかりやすいうえに、いろいろ考える契機になる深い作品だと思います」というように、「考える」がポイント。優しくてわかりやすいことはもちろん大事だけれど、必要なのは子どもたちがそこから何を感じるか。「この作品は自分に何を問いかけているのだろう?」と考えるところまで広がってほしいのだと語る。
「もっとオペラを見てみたい、また劇場へ行ってみたいと思ってくれるのが、僕としては一番うれしいこと。子どもたちだけでなく、一緒に見る大人も楽しめるように作りたいですね」
《ゴールド!》では、客席が参加する場面もあって、会場は一体となって盛り上がる。
「会場の子どもたちが波の音を作ることが、楽譜に指定されています。ただ、実際にどんな音をどうやって出すかは上演する側にまかされているので、いろいろ工夫したいと思っています」
出演者はソプラノの柳原由香と打楽器の池上英樹の二人だけ。「柳原さんはオペラ歌手なのですが、ドイツでは演劇の公演にも出ているぐらい、演技力も非常に素晴らしい方で、この作品に適役です」オペラはけっして古くないと力を込める。
「じつはオペラには新しい作品がどんどん生まれています。新しい、すごく生きた表現が試されているジャンルなんですね。その『いま』の作品に肌で触れていただくチャンス。ぜひご覧ください」
夏休みの旅行はまだ計画しづらい状況だけれども、《ゴールド!》は、本当の幸福というものについて、一緒に考える機会を与えてくれる、絶好の家族イベントになりそうだ。
(宮本明)
■子どものためのオペラ『ゴールド!』〜少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり
8月12日(木)・13日(金) 東京芸術劇場シアターイースト
※チケットは予定枚数終了
■音楽祭メインコンサート
8月13日(金) 東京芸術劇場コンサートホール
子供のためのオペラ『ゴールド!』のチケットは予定枚数終了。音楽祭メインコンサートはチケットぴあにて8月11日(水)18時まで販売中。
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