男子ゴルフの国内ツアー今季最終戦「日本シリーズJTカップ」(12月1日開幕、東京よみうりCC)を目前に控えた29日、賞金王を狙うランキング1位の池田勇太(30=日清食品)と、同2位の谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)が練習ラウンドを行った。

 先週の「カシオワールドオープン」を制した池田と、谷原の差は約3077万円。逆転には谷原が優勝し、池田が4人以上の2位タイ、もしくは3位タイ以下に終わった場合のみになった。

 優位に立つ池田は世界ランクも37位に浮上。「マスターズ」(来年4月)の出場資格である年末時点の50位以内を確実としており「しっかり優勝争いを演じてツアーを盛り上げたい」と、最後まで主役を務める決意を語った。

 追い詰められた谷原は「作戦は(出場全選手)29人に毒を盛るぐらいですかね」とジョークを交えて苦笑い。現在同56位で「マスターズ」出場に向けても「優勝しかないと思っている」と力を込めた。

 谷原は「マスターズ」には2007年に出場して予選落ち。会場のオーガスタナショナルはドロー有利とされており「あのころは持ち球のフェードしか打てなかったので、ティーショットに苦労した。今はストレートやドローも打てますからね」。10年間で蓄えた力を試したいという思いは人一倍強い。

 今大会では過去2度、3位になった。「いろんなものがかかって、例年以上に気持ちが入った中でどんなプレーができるか、自分でも楽しみな部分はある」。広島・尾道市出身の谷原は、日本シリーズで敗れた大好きなカープに代わって日本一の栄冠を勝ち取る意気込みだ。