園子温のバトル・ラップ映画は、「宣伝費からすれば大ヒットだよね」

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園子温が監督をつとめ、2014年8月より公開されたバトル・ラップ・ミュージカル映画『TOKYO TRIBE』がDVD&ブルーレイとして2015年1月6日に発売される。本作は、園子温自身の監督作品としては初めて国内興行収入が2億円を突破した作品である。

この映画は、ヒップホップをベースにストリートカルチャーを描いた全12巻からなる人気コミック『TOKYO TRIBE2』が原作となっている。全編にわたりセリフがラップのため、劇中では役者もラッパーも関係なく登場人物全員がラップに挑戦。東京のさまざまな街を縄張りとするトライブ(=族)同士の抗争が描かれ、出演者はラップを披露しながら闘いまくるという異色作だ。また、今作の制作にあたって一部キャストの一次審査がYouTubeに動画を投稿する形で公開オーディションされており、その結果、主役の海役にHIPHOP界で知られるラッパーの「YOUNG DAIS」が起用されている。園子温は、時代の異端児として果敢に攻めた映画制作を行い続けている。今作のパッケージ化に伴い、監督本人からインタヴューコメントが届いている。

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■園監督作品、最高のヒット作になりました。おめでとうございます。

── 園子温:宣伝費からすれば大ヒットだよね(笑)。

■アクションを俳優さんが実際にやっていることを見せるために、長回しにこだわられたとか。

── 園:最近の日本のアクション映画って、ハリウッド方式の何やっているか分からない手ぶれの撮影とか、カット割りも激しくてスタントと本人が入り乱れるような映画が多い。今回は、もう少し昔の映画のような落ち着いたアクションにしたいと思ったんだよね。実際本人がやっているわけだから、わざわざカットを割る必要はない。

■アクションといえば、清野菜名さんはアクションも素晴らしくて本当に魅力的でした。監督は以前からは新人発掘に定評があります。やっぱり新しい才能を発掘していくのは楽しいですか?

── 園:発掘が楽しいというか、逆にいうと、みんな有名な俳優だけを使ってて楽しいのかなと思うんですよ。イメージが定着した芝居って何がおもしろいのか分らない。誰も見たことのない人たちにスクリーンの中で初めて出会うほうが醍醐味がある。だから楽しいといえば楽しいけど、僕にとっては普通のことですかね。今回はYOUNG DAISとヒロインを演じた清野菜名。あの二人が今、着実に仕事をゲットしているみたいで、そういうのを聞くと「良かったな」と思うよ。

■DVD特典としてオーディオコメンタリーも収録されています。監督も参加されていますよね。

── 園:僕の発言なんて、ピーピー放送禁止用語ばっかりですよ。その分、亮平・DAIS・清野が真面目なトークをしてくれています。あとはメイキングだね。軽やかな作品にするために限界までアクションシーンを削ぎ落としたから、大事なシーンが落ちていたりする。カットしたラッパーのアクションは見ものだと思うよ。あと、これは裏話なんだけど、亮平がやりすぎちゃって、頭突きのシーンで頭から血を流してたらしいんだ。僕は知らなかったんだけどさ。結局、そのシーンも本編ではカットしちゃったんだ。あ、でもこれはDVDにも入ってないな(笑)。

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『TOKYO TRIBE』

2015年1月6日発売
[Blue-ray]BBXN-1171 ¥5,800(税抜)
[DVD]BBBN-1172 ¥4,900(税抜)
発売元:日活
販売元:ハピネット
(C)2014 INOUE SANTA / “TOKYO TRIBE”FILM PARTNERS
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