3月、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった歌手ムッシュかまやつさん(本名・釜萢弘=かまやつ・ひろし)のお別れ会が2日、都内で開催され、同会に参列した森山良子(69)が取材に応じた。

 森山 本当に残念ですけど、こんなにたくさんの友人やスパイダースのメンバーに盛り上げていただいて良かったと思います。

 ムッシュの妹と亡くなるまでの3カ月、かけがえのない時間を過ごせました。宝物をもらったような気持ちです。おしゃべりだったのでいろんなことを話しましたが、特に食べ物の話が多かったです。

 まだそれほど悪くなかったころ、「俺が死んでもべぇべぇ泣くなよ。ヘラヘラ笑っていろ」と言われて。そんなこともあって笑っていられましたが、それも彼の美意識だったのかもしれません。最後までいい気概を残してくれたと思います。

 奥さんのことも、本人は何となく分かっていたかもしれません。奥さんが亡くなったころにちょうど本人の体調も悪くなったので。私たちは2人で旅立ったと思っています。

 ムッシュと音楽は切り離せません。のべつ幕無し歌ったり、ギターを弾いたりしていました。近所のレストランに行くときも大きな声で歌っていましたので、近所迷惑だったかもしれません。「マック・ザ・ナイフ」は彼がよく口ずさんでいた曲なので、今日歌うことになったときはすぐにこの曲に決まりました。

 本当にありがとうしかありません。最後にムッシュの妹と笑いながらすてきな時間を過ごせたのはありがたかったです。きっと楽しんでくれたでしょう。ありがとうしかみあたらないです。