元貴ノ岩、元日馬富士とのわだかまり「ない」 暴行事件の加害者と被害者が和解

 元貴ノ岩(手前)の断髪式に出席した元横綱・日馬富士はねぎらいの言葉をかける
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 昨年12月、付け人に暴力を振るい引退した大相撲の元幕内貴ノ岩(28)の断髪式が2日、東京・両国国技館で行われた。17年秋に貴ノ岩を暴行し引退した元横綱日馬富士(34)も出席し、はさみを入れた。ともにモンゴル出身で暴行事件の加害者と被害者が、1年以上の時を経て土俵上で心を通わせた。第2の人生の門出となったが、入門以来の師匠・元貴乃花親方(元横綱)は姿を見せなかった。

 “因縁”の2人が熱戦を繰り広げた両国国技館の土俵上でケジメを付けた。元貴ノ岩の大銀杏(おおいちょう)に元日馬富士のはさみが入った。肩に両手を置かれ「頑張ってください」と励まされた。

 断髪式を前に「(元日馬富士に)はさみを入れていただきます。(わだかまりは)ないです」と断言していた。式後は白鵬、鶴竜を加えモンゴルの先輩3横綱が門出を見守ってくれたことに「うれしいです」と感激した。

 スーツ姿の元日馬富士は自身同様、道半ばで角界を去るモンゴルの後輩に対し援護を約束した。「前向きにまっすぐいくしかないので。こういうことになってしまったけど、これからも自分なりに応援していきたい気持ち」。わだかまりはないか?と問われると「だから(断髪式に)来ている」と断言した。

 17年10月、元日馬富士は元貴ノ岩を暴行し、引退。その後、暴行事件を巡り、元貴乃花親方と協会が対立。貴乃花親方は退職し、貴乃花部屋は消滅した。元貴ノ岩自身も昨年12月の冬巡業中に付け人に暴力を振るい引退した。1年以上に及ぶ騒動により母国では元貴ノ岩へのバッシングも強かった。今回の断髪式が両者の和解をアピールする場となった。

 第2の人生は「いろんなことに挑戦したい」と元貴ノ岩。相撲に携わることにも「機会があれば」と視野に入れた。

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