新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京五輪開催が1年程度の延期となったことを受けて、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)が25日、都内で取材に応じ、マラソン代表に内定している男女6選手の出場権を維持する方針を明かした。

 瀬古氏は開催延期について「早く決めていただいたIOC(国際オリンピック委員会)の方々に感謝を申し上げたい。選手はいつ延期になるかとすごく心配だったと思う。」とした上で「(代表選手は)権利を守ってあげたい」と語った。

 ある選手の監督から「(代表は)大丈夫なのか?」と問い合わせがあったようだが「自分の内定が取り消されるんじゃないかという不安も当然あったと思うが、それは守る」と断言。さらに「自信を持って選んだ6人。多分、次の(パリ)五輪で戦えるくらいの若さを持っているし、力が落ちるとかは全く考えていない。逆にそれをいいように捉えていきたい」とした。強化委員会として意見は一致しており、6月の理事会で提案し、正式な承認を受ける予定だ。

 同代表は昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)、ファイナルチャレンジなどの選考レースを行い、男子が中村匠吾(27=富士通)、服部勇馬(26=トヨタ自動車)、大迫傑(28=ナイキ)、女子は前田穂南(23=天満屋)、鈴木亜由子(28=日本郵政グループ)、一山麻緒(22=ワコール)に内定していた。